2002 Fiscal Year Annual Research Report
イネ・ミトコンドリアゲノム:全構造と発現・転写後調節様式の解明
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13460002
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
平井 篤志 名城大学, 農学部, 教授 (60023470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 光一 名城大学, 農業生物資源研究所, チーム長
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Keywords | イネ / 遺伝情報 / 塩基配列 / ミトコンドリアゲノム |
Research Abstract |
イネ緑葉のミトコンドリアゲノムの全塩基配列を決定し、遺伝情報を解読するため、すでにクローニングしてあったイネ品種「日本晴」のミトコンドリアゲノム全体をカバーする54個からなるラムダクローンのミトコンドリアDNA挿入部の塩基配列を決定した。その結果、イネミトコンドリアゲノムの全長は490,520bpであることが明らかになった。また、同ゲノム上にある遺伝子は、35個のタンパク質をコードする遺伝子、3個のリボソームRNA(5S,18S,26S)遺伝子、および18個の転移RNAの遺伝子が同定されている。しかしこれ以外に450塩基以上のORFが18個見つかり、機能が未知の遺伝子である可能性がある。転移RNAについては発現していないのもあり、少なくとも7種類のアミノ酸(G、A、V、L、I、T、R)に対応するtRNAはイネミトコンドリアゲノム上にはコードされておらず、それらのtRNAは細胞質から輸送されてその欠失が補われていると考えられる。 植物ミトコンドリアDNAにはミトコンドリアゲノム以外の外来DNA断片が多数存在することが知られている。イネにおいては17個の葉緑体ゲノム由来の配列が同定され、その長さは全体として22,593bpを占め、全ミトコンドリアゲノムの6.3%に相当した。これは、シロイヌナズナの約1%、テンサイの2.1%と比較して格段に大きいものであった。また核ゲノム配列と高い相同性を示す300bp以上の長さの配列が43個同定された。それらの配列は全体として48,060bpの長さになり、全ミトコンドリアゲノムのうち13.4%を占めていた。このうち6個は、ミトコンドリアゲノム特異的な配列を含んでおり、少なくこともこれらはミトコンドリアゲノムから核ゲノムヘ移行したと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Watanabe, A., A.Hirai: "Two uncoupling protein genes of rice (Oryza sativa L.) : molecular study reveals the defects in the pre-mRNA processing for the heat-generating proteins of the subtropical cereal"Planta. 215. 90-100 (2002)
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[Publications] Saika, H. et al.: "AOX1c, a novel rice gene for a lternative oxidase ; comparison with rice AOX1a and AOX1b"Genes & Genetic Systems. 77. 31-38 (2002)
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[Publications] Ohtsu, K. et al.: "ABA-independent expression of rice alternative oxidase genes under environmental stresses"Plant Biotech.. 19. 187-190 (2002)
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[Publications] Imakawa, A. et al.: "Differences in the rates of the ethylene production and the growth between the calluses derived from rice (Oryza sativa L.) and soybean (Glycine max Merr.)"Plant Prod. Sci.. 5. 11-16 (2002)
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[Publications] Notsu, Y. et al.: "The complete sequence of rice (Oryza sativa L.) mitochondrial genome : frequent DNA sequence acquisition and loss during evolution of flowering plants"Mol.Genet.Genomics. 268. 434-445 (2002)
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[Publications] Tsuji, H. et al.: "Organ-specific expressions and chromosomal locations of two mitochondrial aldehyde dehydrogenase genes from rice (Oryza sativa L.), ALDH2a and ALDH2b"Gene. (in press). (2003)