2003 Fiscal Year Annual Research Report
イネ・ミトコンドリアゲノム:全構造と発現・転写後調節様式の解明
Project/Area Number |
13460002
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
平井 篤志 名城大学, 農学部, 教授 (60023470)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 光一 (独)農業生物資源研究所, チーム長
|
Keywords | イネ / エディティング / 転写 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
イネ・ミトコンドリアゲノムに於けるエディティングについて調べた。植物ミトコンドリアゲノムにおいては、タンパク質をコードする遺伝子のmRNAの大半は、脱アミノアシル化(Deamination)機構を介した部位特異的な転写後修飾の一つである、RNAエディティングを受ける。それにより塩基置換が起こり、RNAレベルで遺伝情報が変化するのである。この現象はタンパク質のコード領域で頻繁に起こり、非コード領域ではほとんど起こらないことが分かっている。アラビドブシスミトコンドリアゲノムにおいては、全てのRNAエディティングサイトのうち97%はORFで同定された。従って、転写とともにRNAエディティングを調べることが、遺伝子発現解析においては非常に重要である。 葉緑体ゲノム由来配列を除いたミトコンドリア配列において450塩基以上をコードしうる全てのORF18個と、これまでエディティングが調べられていないイネミトコンドリア遺伝子の転写を、逆転写酵素によってミトコンドリアRNAから生成したcDNAを用いたRT-PCR法によって解析した。その後、RNAエディティングサイトを調べるため、RT-PCRによって転写が確認されたORFに関しては、そのPCR産物を鋳型としたダイレクトシークエンスを行った。 イネミトコンドリアにコードされる遺伝子のうち、そのエディティングサイトが調べられていないもの22個の遺伝子に関しては、RT-PCRによって全て転写が確認でき、その大半でRNAエディティングが見られた。この結果と、これまでに解析されているRNAエディティングの結果から、イネミトコンドリアゲノムにおいては、シチジン(C)からウリジン(U)への塩基配列の置換が見られるが、ウリジンからシチジンへの置換はないことが明らかとなった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Tsuji, H., N.Tsutsumi, T.Sasaki, A.Hirai, M.Nakazono: "Organ-specific expressions and chromosomal locations of two mitochondrial aldehyde dehydrogenase genes from rice(Oryza sativa L.),ALDH2a and ALDH2b"Gene. 305. 195-204 (2003)
-
[Publications] Tsuji, H., N.Meguro, Y.Suzuki, N.Tsutsumi, A.Hirai, M.Nakazono: "Induction of mitochondrial aldehyde dehydrogenase by submergence facilitates oxidation of acetaldehyde during re-aeration in rice"FEES Lett. 546. 369-373 (2003)
-
[Publications] Kubo, N., S.Arimura, N.Tsutsumi, A.Hirai, K.Kadowaki: "Involvement of N-terminal region in mitochondrial targeting of rice RPS10 and RPS14 proteins"Plant Sci. 164. 1047-1055 (2003)
-
[Publications] Li, Y., K.Ohtsu, K.Nemoto, N.Tsutsumi, A.Hirai, M Nakazono: "The rice pyruvate decarboxylase 3 gene, which lacks introns, is transcribed in mature pollen"J.Exp.Bot. 55. 145-146 (2004)