2001 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷地水稲における収量性の品種間差異および年次変動とその要因の解明
Project/Area Number |
13460006
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
黒田 栄喜 岩手大学, 農学部, 教授 (90170125)
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Keywords | 水稲 / 乾物生産特性 / シンクサイズ / 倒状指数 / 断面係数 / 曲げ応力 / 稈の挫折時モーメント |
Research Abstract |
平成13年度は,東北地方中北部における主要普及品種である「あきたこまち」および「ひとめぼれ」と当地方を対象に最近育成された遺伝的関係の明瞭な10品種を供試し,農学部構内の水田に前年度までと同様な方法で栽培し比較検討を行なった.得られた結果の概要は,以下の通りである. 1)2001年の坪刈収量は765〜908g/m^2であり,収量レベルは年次によってかなり変動はあるものの,1996年以降各年次で得られたと同程度の品種間差異(130〜140g/m^2程度)が認められた. 2)2001年を含めた過去5ヶ年平均収量は,「あきたこまち」の735g/m^2から「おきにいり」の817g/m^2まで約80g/m^2(11%)の品種間差異が認められた.そして,収量レベルの低かった「あきたこまち」および「はなの舞」は,登熟歩合は高いもののm^2当たり籾数と玄米千粒重の積で表されるシンクサイズは明らかに小さかったのに対して,収量レベルの高かった「ふくひびき」,「おきにいり」,「めんこいな」および「岩南7号」は,シンクサイズが大きい割に登熟歩合も高く維持されていた. 3)各生育時期における全乾物重,穂重および葉鞘+桿重の変化量を比較すると,成熟期の穂重の50〜65%は登熟期前期の穂重増加によって占められていた.登熟期前半はいずれの品種においても全乾物重増加量に比べて穂重増加量は明らかに大きく,その相違が大きい品種ほど葉鞘+桿重の減少量は大きい傾向がみられた.一方,登熟期後半は穂重増加量に比べて全乾物重増加量が大きいことから,葉鞘+桿へ同化産物が再蓄積されており,その程度は品種によって異なっていた. 4)長桿品種ほど倒伏指数は大きいものの,普及品種に比べて断面係数および曲げ応力がともに大きいことによって桿の挫折時モーメントが大きい品種がいくつかみられた.
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Research Products
(1 results)