2004 Fiscal Year Annual Research Report
自家和合性Prunus属果樹類の解析による自家不和合性花粉側因子の同定
Project/Area Number |
13460014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田尾 龍太郎 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10211997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽生 剛 京都大学, 農学研究科, 助手 (60335304)
佐々 英徳 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (50295507)
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Keywords | 核果類 / S-RNase / 配偶体型自家不和合性 / オウトウ / ウメ / アーモンド / スモモ / モモ |
Research Abstract |
Prunus属には,ウメやスモモ,あるいはオウトウやアーモンドなど多くの配偶体型自家不和合性を示す果樹が属する.これらの果樹の栽培や育種を行う上で,自家不和合性形質が大きな障害になっている.本研究では,自家和合性のPrunus属果樹の解析を通じて,Prunus属果樹の自家不和合性に関与する未知の花粉側因子を同定して,その機能を明らかにしようとするものである. 本年度は昨年度に引き続き,ウメにおける自家和合性ハプロタイプであるSfやオウトウの自家和合性ハプロタイプであるS4'のSFBの解析を進めるとともに,倍数化による自家和合化のメカニズムを探るために,4倍体であり自家和合・不和合性の混在種である酸果オウトウを用いた分析をさらに進める予定である.得られた結果は以下の通りである. (1)ウメとオウトウの自家結実性遺伝子の解析 これまでの研究で,ウメやオウトウには,花粉側の因子の変異によって自家結実性形質を賦与すると思われるSハプロタイプが存在することが明らかになっている.このSハプロタイプのSFBの解析を行ったところ,いずれもSFBに欠失変異があり,これによりフレームシフトが生じ,自家和合化しているものと考えられた. (2)倍数化による自家和合化機構の解明 昨年に引き続き,米国ミシガン州立大学に保存されている酸果オウトウの自家和合・自家不和合性の分離後代を用いた解析を行ったところ,酸果オウトウでにおける自家和合化はS遺伝子座の遺伝子の変異によるものであり,競合的相互作用によるものではないことが示された. (3)研究成果のとりまとめ 本年度は本研究の最終年度にあたるので,研究結果をとりまとめて公表した.
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[Journal Article] Primary structural features of the S haplotype-specific F-box protein, SFB, in Prunus2004
Author(s)
Ikeda, K., B.Igic, K.Ushijima, H.Yamane, N.R.Hauck, R.Nakano, H.Sassa, A.F.Iezzoni, J.R.Kohon, R.Tao
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Journal Title
Sexual Plant Reproduction 16
Pages: 235-243
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[Journal Article] The S haplotype-specific F-box protein gene, SFB, is defective in self-compatible haplotypes of Prunus avium and P.mume2004
Author(s)
Ushijima, K., H.Yamane, A.Watari, E.Kakehi, K.Ikeda, N.R.Hauck, A.F.lezooni, R.Tao
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Journal Title
The Plant Journal 39
Pages: 573-586
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