2002 Fiscal Year Annual Research Report
ユリ球根の低温耐性の評価とCAならびに氷温の利用による長期貯蔵法の確立
Project/Area Number |
13460017
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
今西 英雄 東京農業大学, 農学部, 教授 (20081549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 睦夫 (株)氷温研究所, 課長(研究)
稲本 勝彦 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (50223235)
小池 安比古 東京農業大学, 農学部, 講師 (80266882)
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Keywords | 氷温長期貯蔵 / CA貯蔵 / 低温耐性 / 順化 / 系統間差異 / 氷結点 / ユリりん茎 |
Research Abstract |
前年度から長期間氷温貯蔵してきたユリりん茎を実際に栽培して、開花調査を行い低温ならびに乾燥による低温耐性の付与とCA貯蔵の効果について検討した。 前年の7月にテッポウユリ、10月にアジアティック系、オリエンタル系のりん茎を入手後,直接あるいは1週間のみ2℃の乾燥条件下で保持した後,2℃湿潤下で0,4,8,12週間保持して低温に順化させ、-2℃湿潤条件に移して長期貯蔵した。これらのりん茎を5月に取り出し、解凍後植え付けて開花調査を行ったところ、テッポウユリ、アジアティック系では2℃湿潤での順化期間を8週間以上にすると開花率が低下し、また1週間の乾燥処理を加えるとテッポウユリでは花数の減少、アジアティック系では葉数は増えるが、開花が遅れ、花数が減少した。オリエンタル系では、-2℃の貯蔵中に全球が凍死した。これらの結果から、1℃湿潤4週間の順化で十分であること、乾燥による低温耐性の付与は難しいことが分かった。 2月から-1.5℃のなりゆきおよび酸素濃度を2〜3%に維持したCA環境で貯蔵してきたアジアティック系,オリエンタル系,LA系のユリりん茎を9月および11月に取り出して植え付け,開花調査を行った。その結果、オリエンタル系の2品種ではCA貯蔵により開花率の低下と花数の減少がみられ、LA系では両区の間に差がほとんどみられなかった。これに対し、アジアティック系ではCA貯蔵により、開花率が高くなり、葉数、花数、茎長が増加し、切花品質が向上するという系統間による差異が認められた。また別に、長期貯蔵期間中に、りん茎全体,りん片,底盤部など部位別に組織の氷結点を求めたが、貯蔵中に大きな変化はみられなかった。
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Research Products
(1 results)