2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNA・精子レポジトリーの構築によるカイコ遺伝子資源の活用と保存
Project/Area Number |
13460026
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伴野 豊 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50192711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 豊 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (80038306)
竹村 洋子 財団法人大日本蚕糸会, 蚕業技術研究所, 研究員
藤井 博 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (10038268)
日下部 宜宏 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (30253595)
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Keywords | カイコ / 遺伝子資源 / DNA / 突然変異 / 精子 / 生殖質 / 人工授精 |
Research Abstract |
九州大学大学院農学研究院遺伝子資源開発研究センターに保存中の450系統のカイコのDNAレポジトリー作成する計画であるが,今年度は,ほぼ全系統からDNA抽出に適した組織である絹糸腺を採取し,凍結保存した。そのうちの約200系統については各系統5個体ずつのDNAレポジトリーを作成した。カイコの祖先種とされるクワコ(Bombyx mandarina)についても,日本国内から5ケ所,中国から2ケ所,韓国からは2ケ所で複数の個体を採取し,DNA抽出を行った。これらDNAレポジトリーは既に希望者へ提供を始めた。また,凍結精子・人工授精を利用したレポジトリー構築のため,本年は交尾が困難であり,例年熟練者のハンドペアリングによって交配を行ってきた系統について人工授精が可能であるか試験を行った。一部の系統については精子が十分な量確保できなかったために明瞭な結果を得ることが出来なかったものの,人工授精による継代が遺伝子資源の保存に効果のあることを確認した。凍結精子の受精能力が凍結期間の長さに依存して低下する可能性があるか,次年度以降調査を行うため,多数の系統の精子を凍結した。遺伝子資源の利用を計るためには保有する変異体の遺伝特性を収集,発信する必要がある。本大学保有の系統についてインターネットで検索ができるよう,データベース化の作業を始めた。これと平行して日本国内の大学,試験研究機関に保有するカイコ遺伝子資源の調査を行った。結果については整理中であり,次年度以降公開する予定である。
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[Publications] Banno, Y. et al.: "Inheritance of one cocoon shape mutant named "Flossy cocoon" of the silkworn, Bombyx mori"Journal of insect biotechnology and sericology. 70. 189-192 (2001)
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[Publications] Nakamura, T. et al.: "Genetics of the "Wild silkworm translucent" mutant (ows) discovered in the progenies after the cross between the domesticated silkworm, Bombyx mori and wild mulberry silkworm, Bombyx mandarina"International journal of wild silkmoth and silk. 6. 7-10 (2001)