2001 Fiscal Year Annual Research Report
低分子骨代謝調節物質のin vivo及びin vitro効果の解析
Project/Area Number |
13460036
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
永井 和夫 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00011974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
禹 済泰 中部大学, 応用生物学部, 助教授 (20272693)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨吸収 / 分化 / 生存 / デストラクシン / レベロマイシン / アポトーシス / 活性化 |
Research Abstract |
申請者らは破骨細胞の分化、融合、生存、機能発現に関わるシグナル伝達機構を解明するためのツールとしてだけではなく臨床応用が可能な骨吸収抑制剤を得る目的で、破骨細胞の分化及び前単核破骨細胞の融合成熟、機能発現過程に作用する活性物質を微生物代謝産物中から探索してきた。これまでにデストラキシン、レベロマイシンを見出し、その作用機構を解析した結果、デストラキシンが破骨細胞における細胞骨格維持に関わるシグナルに作用するの対し、レベロマイシンは生存に関わるシグナルに作用することが示唆された。そこで、本研究では両化合物の標的分子の同定を含めて作用機構を解析するとともに、骨吸収促進疾患モデルにおける骨吸収抑制効果を調べることにした。破骨細胞は、骨吸収機能を発現するためには活性化される必要がある。この活性化過程では、アクチンリングの形成や骨吸収面の酸性環境形成が必須である。この酸性化を特異的に阻害するコンカナマイシンで破骨細胞を前処理し、レベロマイシンの効果を検討した。その結果、レベロマイシンのアポトーシス誘導効果は認められなかった。さらに、アクチンリングの破壊を誘導するカルシトニンやデストラキシンで前処理した破骨細胞にもレベロマイシンの効果は観察されなかった。この結果からレベロマイシンの効果発現は活性化破骨細胞の有するリング状の形態や酸性環境が重要であることが明らかとなった。また、TPTX(甲状腺、副甲状腺摘出)ラットでは副甲状腺ホルモン投与によって骨吸収促進が促進され、血カルシウム濃度の上昇が誘導されるが、レベロマイシン(静脈)投与は血カルシウム濃度の上昇を完全に抑制した。以上レベロマイシンは、活性化破骨細胞に対する選択的な効果および動物実験における血中カルシウムの上昇抑制効果を示すことから、骨吸収抑制剤として臨床応用の可能性を含めて、さらに検討する必要があると考えられる。デストラキシンの作用機構解析については、標的分子を探索するために生産菌の培養による放射能標識デストラキシンの調製が進行中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Igarashi, J-T Woo, P H Stern: "The effects of a selective cyclooxygenase-2 inhibitor, celecoxib, on bone resorption and osteoclastogenesis in vitro"Biochemical Pharmacology. 63. 523-532 (2002)
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[Publications] K.Suda, J.-T.Woo, M.Takami, P M Sexton, K.Nagai: "Lipopolysaccharide supports survival and fusion of preosteoclasts independent of TNF-α, IL-1 and RANKL"J. Cell Physiol.. 190. 101-108 (2002)
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[Publications] J.Ding, J.-T Woo, K.Nagai: "The effects of retinoic acid on reversing the adipocyte differentiation into an osteoblastic tendency"Cytotechnology. 36. 125-136 (2001)