2002 Fiscal Year Annual Research Report
生物触媒を用いるスーパーバイオ電池の創出に関する基盤研究
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13460042
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 篤治 京都大学, 農学研究科, 教授 (40026422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 健司 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10152828)
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Keywords | 生物燃料電池 / ヒドロゲナーゼ / ビリルビンオキシダーゼ / 生体触媒 / 水素燃料 / バイオエレクトロカタリシス / グルコース電池 |
Research Abstract |
本研究では、呼吸と光合成という生物が有する大変効率よいエネルギー獲得手法を電気化学の立場から整理して考え、生体触媒を用いる電気化学エネルギー変換系の実験系を確立し、その基本反応を理論的、実験的に明確にすることを第一の目的としている。そして、その基礎成果にたってバイオ電池の創製を行い、その実用化への見通しを明らかにせんとするものである。前年度実績{ :1.アノード、カソード両極に生体触媒反応を用いた水素/酸素バイオ電池を世界で始めて実現。2.:正味の化学変化無しに光-電気エネルギー変換が行える、藍藻の光合成系を利用する光バイオ電池の基本反応の基礎検討。}を発展させる形で以下の研究成果を得た。 本研究で見つけた、酵素(ビリルビンオキシダーゼ: BOD)触媒を用いるカソード電極反応の優秀性が認知され、競合関係ある外国の研究者によっても採用されるようになった。我々は更に、この反応系のメディエータとしてシアノ錯体が大変優秀であることを新たに見出した。鉄、タングステン、オスミウム、モリブデン、と中心金属を変えることによって、シアノ錯体の酸化還元電位を系統的に変化させ、BODと電極との電子媒介としての機能がどのように変化するかを検討した。その結果、このような酵素電気化学反応においても反応速度と酸化還元電位の間に直線自由エネルギー関係が成り立つことが実験的に明らかとなった。その理論的裏付けと電池カソード機能予測への利用が今後の課題である。一方で、グルコースやアルコールを燃料とするバイオ電池の実験的検討を行った。特に、キノプロテイン脱水素酵素やNAD(P)H関与脱水素酵素を用いるグルコースやアルコールのバイオエレクトロカタリシスアノード反応の系統的検討を進め、バイオ電池特性を定量的に明らかにした。この研究に関する論文で、本年度電気化学会論文賞を受賞した。さらに、酢酸菌を生体触媒とする、アルコールの電解酸化反応について、菌株やメディエータ化合物について、スクリーニング実験を進め、Acetobacter aceti株で高触媒活性を見出した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tsujimura, S., Kano, K., Ikeda, T.: "Electrochemical Oxidation of NADH Catalyzed by Diaphorase Conjugated with Poly-1-vinylimidazie Complexed with Os(2,2'-dipyridylamine)_2Cl"Chemistry Letters. (10). 1022-1023 (2002)
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[Publications] Tsujimura, S., Kano K., Ikeda, T.: "Glucose/O_2 Biofuel Cell Operating at Physiological Conditions"Electrochemistry. 70(12). 940-942 (2002)
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[Publications] Matsumoto, R., Kano, K., Ikeda, T.: "Theory of Steady-state Catalytic Current of Mediated Bioelectrocatalysis"J. Electroanal. Chem.. 535(1/2). 37-40 (2002)