2002 Fiscal Year Annual Research Report
致死性遺伝病と関係のある微生物カルボキシルプロテアーゼ:新しい触媒機構の提案
Project/Area Number |
13460043
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Research Institution | KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
小田 耕平 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50081584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平賀 和三 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (50252549)
尾山 廣 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 講師 (50221700)
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Keywords | 致死性遺伝病 / バッテン症 / ペプスタチン / 触媒機構 / 立体構造 / カルボキシルプロテアーゼ / セリンカルボシルプロテアーゼ / インヒビター |
Research Abstract |
目的:申請者らが独自の発想で発見した細菌由来のカルボキシルプロテアーゼ(PSCR, XSCP, kumamolisin, J-4)と、これらと一次構造上類似し、且つ、致死性遺伝病に関係するCLN2を対象に、これら酵素の構造と機能を明らかにする。我々がPSCPで発見した新規触媒機構の確証は他の酵素を詳細に解析して行うと共に、その成果を基に、新規プロテアーゼファミリー、セリン-カルボキシルプロテアーゼを提案する。また、これら酵素群の分子進化も考察する。 平成14年度の研究実績: 1)PSCPのプレプロ体の立体構造解析(小田、尾山、Wlodawer) PSCPの立体構造解析により示された新規catalytic triadの内、Ser残基の改変体、S287Aは、自己触媒的に活性化されることなく、プレプロ体として精製された。また、プロテアーゼ活性も検出されず、Ser287が触媒残基のひとつであることがタンパク工学的にも明らかとなった。現在、結晶構造解析用のサンプルを調製している。 2)Kumamolisinの触媒残基の解析(小田、尾山、Bode) kumamolisinに特有の触媒残基であるGlu32とTrp129のAla改変体を構築し、それらの速度論的解析を行った。各々のk_<cat>/K_m値は、野生株の約6%、4%となり、触媒機構に関与することが確証された。 3)CLN2のサブサイト構造と立体構造の解析(小田、平賀、Dunn、Wlodawer) 新規合成基質による速度論的解析を行い、CLN2のサブサイトは、細菌由来の酵素に比べて短く、S_3〜S_3'で構成されていることが明らかとなった。現在、カイコ蛹で発現、精製したヒトCLN2による結晶構造解析を進めている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Oyama, H., et al.: "A CLN2-related and thermostable serine-carboxyl proteinase, kumamolysin : cloning, expression, and identification of catalytic serine residue"J. Biochem. (Tokyo). 131. 757-765 (2002)
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[Publications] Comellas-Bigler, M., et al.: "The 1.4 Å crystal structure of kumamolysin : a thermostable serine-carboxyl-type proteinase"Structure (Camb). 10. 865-876 (2002)
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[Publications] 小田耕平: "プロテアーゼの新ファミリー:セリン-カルポキシルプロテアーゼの構造と機能"生化学. 74. 1459-1463 (2002)
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[Publications] Tsuruoka, N., et al.: "Collagenolytic serine-carboxyl proteinase from Alicyclobacillus sendaiensis strain NTAP-1 : purification, characterization, gene cloning, and heterologous expression"Appl. Environ. Microbiol. 69. 162-169 (2003)
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[Publications] Oda, K.: "Sedolisin (3 pages), Sedolisin B (3 pages), and kumamolisin (4 pages) in "Handbook of Proteolytic Enzymes 2^<nd> edition (edited by Alan J.Barrett, et al.)""Academic Press, NY. 10 (2003)