2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13460063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹下 健 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20179922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 福寿 鳥取大学, 農学部, 教授 (60112322)
坂上 大翼 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90313080)
益守 眞也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (50282702)
本間 環 鳥取大学, 農学部, 助手 (90294347)
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Keywords | 水分生理特性 / 浸透調節 / シンク-ソース関係 / 地温 / 植物ホルモン / 耐凍性 / 水ストレス / P-V曲線法 |
Research Abstract |
地温の低下に伴うスギの耐凍性の変化を明らかにするために、素焼き鉢に植えた2年生苗について自然光型の人工気象室2基を用いた栽培実験を行った。室内空気温度を8〜16時20℃、16〜8時15℃とし、地温を空気温度追従させた対照区(2区)と植栽鉢の周りを流す水温で0〜5℃程度まで地温を低下させた低温区(2区)を設けた。空気温度と各処理区の地温をモニタリングした。対照区2区の地温は、いずれも15〜20℃の範囲にあった。低温区は、一方が-2〜3℃、もう一方が0〜5の範囲にあった。葉の水分特性値の測定並びに糖濃度・植物ホルモン測定用試料の測定は、対照区、低温区ともに地温を空気温度追従として10日間栽培した後、温度処理5日後、12日後、14日間温度処理した後、再度空気温度追従させてから5日後、12日後に行った。また、温度処理を7日間行った後、夜明け前と日中に葉の水ポテンシャルを測定したところ、低温区の方が夜明け前、日中ともに0.2〜0.4Mpa程度低い傾向にあったが、膨圧を失う時の水ポテンシャルに比べて十分に高かった。葉の耐凍性は、地温の低温処理5日目よりも12日目の方が高まっていた。また、地温が0℃程度まで低下した方がより明瞭に耐凍性が高まることを明らかにした。また、低温処理をやめてから5日目には耐凍性が低下し、12日目には対照区と葉の水分特性値に明らかな差が見られなくなり、比較的短期間に地温に反応して耐凍性の獲得、喪失が起きることを明らかにした。今後、葉の分析を進め、耐凍性の消長に関わる物質を明らかにするとともに、地温の低下による葉の耐凍性獲得の機構の解析を進める予定である。
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