2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13460065
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
久保 隆文 東京農工大学, 農学部, 教授 (00015091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻田 信二郎 奈良先端科学技術大学大学院, バイオテクノロジー開発技術研究組合, 研究員
笹本 浜子 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (60334629)
川合 伸也 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90202027)
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Keywords | 針葉樹種 / 成熟・未成熟胚 / 不定胚形成能 / ECs / オーキシン類 / プロトプラス化 / embryonal region / 遺伝的変異性 |
Research Abstract |
エゾマツ、カラマツ、スギの針葉樹種について、成熟胚あるいは未成熟胚から不定胚形成能を有するカルス、すなわちECsが誘導されたが、その後の継代培養にけるECsの発達状態は樹種によって異なった。ECsの発達程度と成熟化における不定胚の形成とは密接な関係にあり、ECsの発達が低かったスギでは不定胚誘導は困難であった。スギのECsは分裂活性が低く(蛍光顕微鏡観察)、embryonal regionやsuspensor regionの発達が抑制される傾向を示した。ECsの発達を促すためオーキシン類及びアミノ酸類の影響を調べた結果、オーキシン類ではIBAと2, 4-Dの組合せの効果が、またアミノ酸類ではL-グルタミンの効果が確認された。今後は、エゾマツやカラマツマの植物体再生系をモデルとし、マイクロアッセイ法を利用してその分化特性を簡便に解析・評価し、スギやその他の針葉樹種においてより高い分化能をもったECsの増殖系の確立を目指す。 また、体細胞雑種の創出を日的に、カラマツ、スギについて不定胚形成細胞からのプロトプラス化と、その培養増殖に関して成果が得られた。スギのプロトプラスト培養については、初期不定胚構造を持つ単細胞塊を、マイクロマニピュレーターによって選抜したストレインを各々継代増殖させることができた。来年度は培養ステージによるプロトプラスト化条件の差について、さらに検討を加え、より安定したプロトプラスト培養系を開発し、細胞融合による体細胞雑種作出の基礎をつくる。 培養細胞や再生植物体の遺伝的変異性を調べるため、フローサイトメーターによる異数性の検定法など、幾つかの方法の有効性を検討しているところであり、来年度以降最も効果的な方法の確立を目指す。
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