2002 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサテライトDNAマーカーによる主要林木のジーンマッピング
Project/Area Number |
13460070
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白石 進 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70226314)
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Keywords | マイクロサテライトDNA / SSR / TAC / スギ / クロマツ / ヒノキ / アカシア / 連鎖地図 |
Research Abstract |
昨年度に開発したTAC(triplex affinity caputure)法を利用したマイクロサテライトDNA(SSR ; simple sequence repeats)領域の単離系を、実際のスギゲノムに適用し、SSR領域の単離を試みた。最初に、単離効率を評価するために、単離・クローニングした96DNAフラグメントのコロニーPCR産物の塩基配列を決定した。得られた配列情報から、単離フラグメントの90%以上(6/96)で、2塩基繰返配列((CT)n)が確認された。この数値は、従来のハイブリッド法に比べ著しく高く、TACによるSSR単離効率が極めて高いことを示している。本スクリーニング法を使用することにより、効率の良いSSRマーカー開発が可能になったことから、今後、このマーカーで構成される連鎖地図作成が様々な樹種で進むものと思われる。さらに、スギ、クロマツ、ヒノキ、アカシアの4樹種のゲノムDNAを対象として、大規模なSSR領域のスクリーニングを実施した。これまでにスギで約300個のSSRの解析を行い、その塩基配列情報を基に、SCAR(sequence characterized amplified region)化し、PCRベースのSSRマーカーを開発した。一方、スギ(早良1号の単相胚乳家系)、ヒノキ(姶良32号×薩摩8号の人工交配家系)、クロマツ(志摩64号の単相胚乳家系)の3樹種において、連鎖地図作成のための研究材料の調整を行った。今回開発されたSSRマーカーを各樹種の家系DNAに適用することにより、他のDNA分子マーカーに比べ著しく大きな情報量を有する連鎖地図の作成が可能となった。
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