2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13460073
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
太田 正光 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20126006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 謙治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90313072)
安藤 直人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90125980)
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Keywords | 薄板 / ビス止め構造 / 湾曲重ね板構造 / シェル構造 / 幾何学的非線形性 / 有限要素法 / ニュートン・ラプソン法 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、薄板のモデルを用いた模型実験を中心とした実験を行った。前年度の実験で模型実験ではより長いスパンが必要となることが判明したため、厚さ2〜3mm、長さ5000mmのスプルース材の試験体を用意した。これを用いて、スパン4mほどの模型実験を行った。試験体の両端はピン支持としたが、片側にはロードセルを配置して、水平分力を測定できるようにした。5層までの湾曲ビス止め構造に対して、全て長尺の試験体を用いたもの、奇数層のみ長尺材で、ビス位置に直交層相当の板材を介したもの、前記のものにさらにスペーサーを入れ隙間を埋めたものの3種類の構造の力学変形特性を詳しく調べた。これにより、ビス止めによる重ね梁では、一体構造のものに比べて、3層構造で75%、5層構造で38%程度の剛性しか発揮できないことが判明した。また、スペーサーを入れたものは入れないものに比べてかなりの効果を発揮することが明らかとなった。スペーサーを欠くと、個々の層が薄いので、負荷時に座屈現象が発生するためと考えられた。この実験に加えて、土台部を十字型に直交させた支持台を準備し、3次元的なモデルに対しても、若干の知見を得ることができた。 一体の構造体としてのシェル構造に対しては、既存の有限要素法によっても解析することが可能であるが、自重で曲がるような薄板を湾曲させて固定し、さらにこれに負荷したときにどのような効果が得られるかの解析はむずかしい。ここでは、幾何学的非線形性を考慮した、大変形対応の有限要素法プログラムを作成し、実験結果がどの程度まで再現できるかを検討した。使用したメソッドはニュートン・ラプソン法である。荷重-たわみ曲線、たわみ形状、モーメント分布等、実験値をかなり良く再現できることが判明した。材料中の軸力の分布は、実験値よりも、計算値の方が正しいものと考えられた。以上より本手法が、ビス止め湾曲重ね板構造の解析にかなり有望なものであることが明らかとなった。
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