2001 Fiscal Year Annual Research Report
内湾近底層における微生物生産に関する研究―隔離実験による部生物ループの検証
Project/Area Number |
13460081
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
大和田 紘一 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (30013585)
|
Keywords | 近底層 / 微小生物 / 隔離装置 / 海水交換率 / 細菌 / 植物プランクトン / 鞭毛虫 / 環境因子 |
Research Abstract |
本年度は初年度であり、どのような隔離装置が良いかの検討を行った。特にこのプロジェクトは研究代表者が東京にいる時に申請したもので、海域としては三浦半島の東京大学三崎臨海実験所の地先海岸を想定していた。ここであれば、満潮と干潮の潮汐差は大きくても1.5m程度である。ところが、昨年4月から熊本県立大学に赴任してきて、こちらでは海域として有明海にしても八代海にしても潮汐差が最大で4m以上になってしまう。このような海域では潮流も相当早くなるし、海底の状態も十分理解しないと隔離装置の設計、設置も出来ない。 そこで今年度は隔離装置の作成を断念し、設置場所の選定と設置の方法さらに隔離装置の設計を主に行うことにした。また、新しい大学に移り、実験室と実験台しかない全く新しい場所のため、少なくとも今後実験が出来るように研究室の整備に力を入れた。 隔離装置の設置場所に関しては、天草にある熊本県水産研究センターとも相談をし、水産研究センターの地先に海底が砂浜で、最干潮時でも干上がらなく、ある程度閉鎖された水域があり、研究センターがこの測定やサンプリングに協力をしてくれるとの約束をしていただいた。そこで、塩ビあるいはアクリルによる隔離装置の設計、さらにその設置に関しプロのダイバーとも交渉を重ねることが出来た。実際には平成14年5月頃、ある程度水温が上がってきた頃に設置し、第1回の実験を行うことにした。その前には隔離装置の大きさで1/2のものを作製し、国土交通省港湾技術研究所の実験用水槽を利用して、隔離装置の両側の窓の大きさを変えて、さらに水流を変えたときに隔離装置の近底層での海水交換率がどのように変化するかの実験を行うことにした。これに関しては設置の前、平成14年4月を予定している。この実験により、現場に設置したときのそれぞれ大きさの異なる窓での近底層の環境条件を予測する手がかりになるものと思っている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Urakawa, H., T.Yoshida, M.Nishimura, K.Ohwada: "Characterization of microbial communities in marine surface sediments by terminal-restriction fragment length polymorphism (T-RFLP) analysis and quinone profiling"Marine Ecology Progress Series. 220. 47-57 (2001)
-
[Publications] Radjasa, O.C., H.Urakawa, K.T.Tsukamoto, K.Ohwada: "Characterization of psychrotrophic bacteria in the surface and deep-sea waters from the northwestern Pacific Ocean based on 16S ribosomal DNA analysis"Marine Biotechnology. 3. 454-462 (2001)