2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13460082
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮崎 信之 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40101464)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都木 靖彰 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10212002)
天野 雅男 東京大学, 海洋研究所, 助手 (50270905)
新井 崇臣 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70323631)
田辺 信介 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (60116952)
内藤 靖彦 国立極地研究所, 教授 (80017087)
|
Keywords | 海棲哺乳類 / 生活史 / 生物学的特性値 / 環境 / 有機塩素系化合物 / 有機スズ化合物 / 重金属類 |
Research Abstract |
平成13年度の研究実績の概要を以下に示す。 1.日本古来から伝統的に行われているイルカ漁業で捕獲されるイシイルカの生物調査を岩手県大槌町大槌漁業市場で実施し、イシイルカの生活史研究とイシイルカを指標とした海洋環境モニタリング調査に必要な試料の採集と解析を実施した。 2.本研究チームが採集したカスピカイアザラシの生物試料の解析を実施し、体長組成、年齢組成、成長特性を明らかにし、生物学的特性値(性比、性成熟年齢、妊娠率、粗生産率など)を推定した。同時に、カスピカイアザラシの血清をELISA法によって解析したところ、1979年にバンコックから世界中に広がったインフルエンザAのBangkok/1/79(H3N2)株がカスピカイアザラシの集団に約20年間リザーブされていることが明らかになった。これらの研究成果は、カナダのバンクーバーで開催された第14回国際海棲哺乳類学会で発表され、国際的に高い評価を得た。 3.ロシアのニーズニー・ノボグラーで平成13年5月15-18日に開催された国際会議にはUNESCOの代表として招聘され、本研究チームが明らかにした有害化学物質に汚染されているカスピカイアザラシの実情を紹介し、国際共同研究体制の設立の重要性を訴え、参加者から熱烈な指示を受けた。その結果、UNESCOやロシア政府はカスピ海の環境問題に積極的に取り組む姿勢を示した。 4.The 70^<th> Anniversary of the Japanese Society of Fisheries Scienceが平成13年10月1-5日、横浜で開催された。この会議に、本研究チームと国際共同研究を実施している世界の専門家8名を招き、シンポジウム「Progress and Prospects in Marine Mammal Research」を開き、アジアやオセアニア海域における海棲哺乳類研究の実情と今後の課題について議論した、
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Amano, M., et al.: "Morphometric comparison of skulls of seals of the subgenus Pusa. 2000. Lake Baikal (ed.K.Minoura)"Elsevier. 322. 315-323 (2000)
-
[Publications] Miyazaki, N.: "A review of studies on the ringed, Caspian and Baikal seals (Pusa hispida, P.caspica, and P.sibirica)"Otsuchi Marine Science. 26. 1-6 (2000)
-
[Publications] Miyazaki, N.: "A review of biological and environmental study on Caspian seals (Pusa caspica)"International Science and Industrial Forum. General Report May 14-19, 2001. Nizhny Novgorod, Russia. Vol.2. (2001)
-
[Publications] Ohashi Kenjiro, et al.: "Seroepidemiological survey of distemper virus infection in the Caspian Sea and in Lake Baikal"Veterinary microbiology. 82. 203-210 (2001)
-
[Publications] Tsutsui, S., et al.: "Pacific white-sided dolphins (Lagenorhynchus obliquidens) with anomalous colour patterns in Volcano Bay, Hokkaido, Japan"Aquatic Mammals. 27(2). 172-182 (2001)
-
[Publications] 宮崎 信之: "バイカル湖の生物多様性と環境-バイカルアザラシから地球環境の水汚染を考える"地球環境. 6(1). 79-86 (2001)