2002 Fiscal Year Annual Research Report
深層土壌の物理性が物質とエネルギーの循環に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
13460103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮崎 毅 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00209892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 拓 東京農工大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40237730)
関 勝寿 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40313069)
溝口 勝 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00181917)
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Keywords | 深層土壌 / 土壌の物理性 / 湿原 / メタン / ゼロフラックス面 / 雨水浸透処理 / 透水係数 |
Research Abstract |
本研究の目的は、気候変動や人為活動の影響が直接的・短期的には現れない深層土壌圏における温度変化、土壌水分変化、土壌構造変化、土壌微生物変化、土壌ガス成分変化、土壌物理性変化などを解明し、これらが表層土壌や地上環境、地下水環境などにおける物質とエネルギーの循環に及ぼす影響を明らかにすることである。具体的には、(1)泥炭地湿原における地温分布変化、メタンガス発生、収縮沈下などを解析すること、(2)沖積土農地における深層土壌の構造、物理性、水分、微生物、ガス分布などの影響を解析すること、(3)シベリアや中国など海外と日本における深層土壌の特徴の違いを比較・解析すること、(4)最終的には、深層土壌の物理性が物質とエネルギーの循環に及ぼす影響を総合的に解析・評価し、人類が自然環境において果たすべき新たな役割を提唱することが目的である。 平成14年度は、目的(1)について、湿原の地下水面下に多量のガス状メタンが蓄積していることを突き止めた。現在Natureへの論文投稿準備中である。また、湿原からの漏水と湿原の乾燥化を防ぐ目的で施工される遮水ビニールシートの遮水効果について実測データの理論的解析を行い、的確な評価を与えることに成功した。目的(2)について、砂丘砂や火山灰土におけるゼロフラックス面(ZFP)すなわち水分移動の上昇下降の分水嶺平面の測定と制御について、実験およびシミュレーションでの進展があり、現在論文準備中である。目的(3)について、日本の火山灰土壌の深層土の物理性を調べ、立川ローム層が著しく固い層であるにも関わらず、著しく透水係数が高いことを確かめ、民間会社などで進めている雨水浸透処理法の定量的評価を行ったところ、大きな反響があった。現在、この定量的評価方法について特許出願中である。目的(4)については、次年度以降、総合的な検討を加えていく。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hanada, J., Seki, K., Miyazaki, T.: "The anisotropy of hydraulic conductivity and column clogged by microbes"Eos Trans. AGU. 83(19). H21A-05 (2002)
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[Publications] Seki, K., J.Hanada, T.Miyazaki: "Four models of bioclogging describing anisotropy of hydraulic conductivity in one dimensional flow system"Eos Trans. AGU. 83(19). H21A-06 (2002)
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[Publications] Fujikawa, T., Miyazaki, T: "Effects of soil microorganisms on the behavior of CO_2 and O_2 gases in soils"Transactions of 17^<th> World Congress of Soil Science. Vol.IV. 1105.1-1105.7 (2002)