2001 Fiscal Year Annual Research Report
干潟底泥中の硝化・脱窒細菌による内湾沿岸域の水質浄化に関する研究
Project/Area Number |
13460107
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
瀬口 昌洋 佐賀大学, 農学部, 教授 (20093974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 康三 佐賀大学, 農学部, 助教授 (00117095)
加藤 富民雄 佐賀大学, 農学部, 教授 (90109223)
加藤 治 佐賀大学, 農学部, 教授 (40038295)
田端 正明 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40039285)
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Keywords | 有明海 / 干潟 / 培養 / 硝化細菌 / アンモニア態窒素 / 硝酸態窒素 / 硝化速度 / ミカエリスーメンテン式 |
Research Abstract |
初年度である平成13年度においては、まず内湾沿岸域の水質浄化過程を担っている活性の高い硝化細菌を検索、分離するために、有明海干潟底泥を用いて硝化細菌の集積培養実験を行った。また一方、干潟底泥における硝化細菌による硝化速度と基質濃度や温度などの環境的律速因子との間の関連性を定量的に明らかにするために、現地に即した流水方式による硝化実験を行った。そして、これらの結果に基づいて、干潟底泥中の硝化過程を検討、考察した。その結果、明らかにされた主な点を要約すると、次のようになる。 (1)CNH培養液に泥土粒子を加えた培養液での継代培養実験の結果、培養6代目の硝化細菌において活性の高い硝化細菌が検索、分離された。 (2)泥土粒子は、硝化細菌の担体として不可欠なものであった。さらに、硝化細菌の高い活性を維持するためには、負に荷電している担体であることが必須条件であると推察された。 (3)硝化速度と基質(アンモニア態窒素)濃度及び泥温との間には、酵素反応に基づくミカエリスーメンテン型の式が導出された。 (4)理論式から、硝化速度は基質濃度の増加に伴って限界値に漸近するように増大すること、また、ある特定の基質濃度には最適温度が存在し、最適温度は基質濃度の増加に伴って高くなることなどが明らかにされた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 瀬口昌洋, 郡山益美, 加藤 治: "泥質干潟におけるマクロベントすの巣穴形成とその硝化・脱窒過程への影響"水工学論文集. 46. 1169-1174 (2002)
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[Publications] Y.WG.WU, M.Tabata, T.Takamuku: "An Extended Johnson-Furter Equation to Salting-out Phase Separation of Aqueous Solution of Water-Miscible Organic Solvents"Fluid Phase Equil. 192. 1-12 (2001)