2001 Fiscal Year Annual Research Report
穀粒調製加工技術開発における離散要素シミュレーションの有効利用法の検討
Project/Area Number |
13460112
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
坂口 栄一郎 東京農業大学, 地域環境科学部, 助教授 (00147480)
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Keywords | 穀粒 / 米 / 調製加工技術 / 揺動選別 / シミュレーション / 離散要素法 |
Research Abstract |
1.揺動選別実験 市販の籾摺り機の揺動選別板上に,アクリル樹脂製選別容器(長さ20cm,奥行2cm,高さ7.5cm)を移送角α=0°で設置した.選別容器の底面には,直径1.6mmのステンレス製円柱棒を12mm間隔でステンレス板に貼り付けた"実験用選別板"を用いた.円柱棒の直径と貼り付け間隔が,実用選別板の窪みの深さと間隔に対応する.質量比1:4の籾と着色した玄米の混合物を選別容器に入れて揺動を与え,選別過程をビデオ撮影した.その画像データから籾と玄米の回収率を求めて,選別状態を定量化した.分離角βを15〜21°まで1°づつ変化させて,分離角が選別状態に及ぼす影響を検討した. 2.楕円要素を用いた揺動選別現象の離散要素シミュレーション すでに開発済みの楕円要素を用いたホッパー排出流プログラムは,接触判断に数値計算を含むため,計算アルゴリズムが複雑であり,解の発散により計算不能になる可能性もある.本研究では,2つの楕円の接触において,一方を36角形に近似することによって,それらの問題点を解決した.その簡易接触判断法を用いて,揺動選別実験と同一スケールおよび同一選別条件での離散要素シミュレーションが可能なプログラムを開発した.実験と同様に,分離角を変化させて計算し,選別状態を回収率で定量化した. 3.揺動選別技術開発における楕円要素シミュレーションの有効性 円要素は接触判断が容易で,計算効率も高い.そこで,円要素と楕円要素とで,どちらが揺動選別技術開発に有効であるかを検討した.円要素によって選別現象を再現できるが,円要素は転がり易いため,分離角が小さいときの籾の回収率が実験結果と大きく異なった.楕円要素は,実験結果をよく再現し,揺動選別条件を検討するとき有効に利用される可能性をもつ.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 鈴木基勝, 坂口栄一郎, 川上昭太郎, 玉木浩二: "籾と玄米の揺動選別の離散要素シミュレーション -楕円要素モデルの有効性-"農業機械学会誌(平成14年2月21日掲載可と判定). 64巻3号(予定). (2002)