2003 Fiscal Year Annual Research Report
時期・組織特異的なIGFシグナルの増強を可能にするクロストーク制御タンパク質
Project/Area Number |
13460124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 伸一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00197146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伯野 史彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30282700)
片岡 宏誌 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60202008)
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
古久保 克男 (徳永 克男) 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (00272154)
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Keywords | インスリン様成長因子 / トロピックホルモン / cAMP / シグナルクロストーク / 細胞内シグナル伝達 / チロシンリン酸化 / 細胞増殖 / チロシンキナーゼ |
Research Abstract |
我々は、予め甲状腺刺激ホルモンをはじめとしたcAMP経路を活性化する薬剤で、ラット甲状腺由来正常細胞FRTL-5を長時間処理(cAMP前処理)すると、IGF-I刺激に応答したIGF-I受容体チロシンキナーゼの活性化は変化しないにも関わらず、その基質の一つIRS-2およびp66 Shcのチロシンリン酸化が増強され、その結果、相乗的増殖誘導が引き起こされることを明らかとしている。この機構を解析する過程で、cAMP経路の長時間刺激に応答してIRS-2と他の分子が相互作用し、IRS-2が受容体キナーゼによりチロシンリン酸化されやすくなることが明らかとなった。次に、cAMP長時間処理に応答してIRS-2と相互作用する分子を探索するため、cAMPで前処理したFRTL-5細胞から調製したmRNAを用いてcDNA libraryを作成した。このcDNA libraryをprey、IRS-2をbaitとしたyeast two-hybrid screeningを行った結果、IRS-2と相互作用する分子の遺伝子を複数取得することに成功した。取得した分子のうち、IRS-1とは相互作用せず、IRS-2と特異的に相互作吊するgClqRに注目して解析を進め、cAMP処理したFRTL-5において、gClqRがIRS-2と相互作用していることを見出し、更に、gClqRを過剰発現させた293T細胞では、IGF-I依存性IRS-2のチロシンリン酸化が増強されることが明らかとなった。また、cAMP前処理により増強されるp66ShcのIGF-I依存性チロシンリン酸化の下流に位置すると考えられるErk、p38MAPK、JNKの活性化が相乗的に強まることがわかった。これらの阻害剤を用いた解析から、これらのキナーゼの活性化が、相乗的な増殖誘導に必要であることも明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Gunton JE et al.: "Metformin rapidly increases insulin receptor activation in human liver and signals preferentially through Insulin receptor substrate-2."J.Clin.Endo.Metab.. 88. 1323-1332 (2003)
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[Publications] Tabei I et al.: "New approach for the establishment of a hepatocyte cell line derived from rat early embryonic stem cells."Human Cell. 16. 39-46 (2003)
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[Publications] Ohkubo et al.: "Cell proliferation activities on skin fibroblasts from a short child with absence of one copy of the type 1 insulin-like growth factor receptor (IGF1R) gene and a tall child with three copies of the IGF1R gene."J.Clin.Endo.Metab.. 88. 5981-5988 (2003)
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[Publications] Zhang et al.: "Motility response to insulin-like growth factor-I (IGF-I) in MCF-7 cells is associated with IRS-2 activation and integrin expression."Breast Cancer Research and Treatment. (in press). (2004)