2001 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物の形態形成におけるFgf,Wnt,Shhシグナルの役割とその相互作用
Project/Area Number |
13470003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塩田 浩平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80109529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 武志 京都大学, 医学研究科, 助手 (00311746)
滝川 俊也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90263095)
石橋 誠 京都大学, 医学研究科, 講師 (30232341)
三浦 岳 京都大学, 医学研究科, 助手 (10324617)
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Keywords | Sonic hedgehog / FGF / 遺伝子ノックアウトマウス / 発生異常 / 器官培養 / 数理モデル |
Research Abstract |
1)肺原基の分枝過程におけるFGFの役割 我々は胎齢11.5日マウス胎児の肺原基をマトリゲルの中で培養し、in vitroで肺の分枝を起こさせる培養系を開発した。肺の分枝にはFGF蛋白の関与が示唆されていることから、培地中のFGF濃度を変え、あるいは2個の肺原基を共培養することにより、分枝とFGFの関連を調べた。その結果、FGF濃度の低い領域では分枝が抑制され、両者の間に相関が認められた。この結果に基づき、FGFの低下が分枝を抑制するとする反応-拡散モデルを考案し、このモデルが肺の分枝現象をよく説明することを証明した。 2)脳の分化に及ぼすShh分子の役割 Sonic hedgehog(Shh)遺伝子のノックアウトマウスを観察したところ、脳の発育が障害され、特に視床の形成に特徴的な異常が見出された。この病理発生メカニズムが不明であるため、ノックアウトマウス胎児の脳をin vitroで器官培養し、Shh遺伝子や関連するFGF遺伝子を強制発現させて分化がどのように修飾されるかを観察している。13年度には実験系を確立し、視床を構成する細胞を識別するマーカーを探索した。 一方、脳の特徴的な奇形を主徴とする全前脳胞症(holoprosencephaly)の一部の原因としてShh遺伝子の変異が示唆されているので、京都大学医学研究科附属先天異常標本解析センターに所蔵される全前脳胞症ヒト胚子の症例を観察し、本奇形の発症に関与する遺伝子異常と環境要因の関わりについて考察し、論文にまとめた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Bessho, Y. et al.: "Dynamic expression and essential function of Hes 7 in somite segmentation"Genes and Development. 15・20. 2642-2647 (2001)
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[Publications] Shiota, K.: "Toward the prevention of human birth defects"Congenital Anomalies. 41・1. 72-75 (2001)
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[Publications] Ishibashi, M.: "Roles of Wnt signaling in the developing central nervous system"Acta Anatomica Japonica. 77・Suppl. 53-53 (2002)
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[Publications] Takigawa, T.: "Terminal differentiation of the medial edge epitaelium in the fetal mouse palate"Acta Anatomica Japonica. 77・Suppl. 9-9 (2002)
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[Publications] Miura, T., Shiota, K.: "Depletion of FGF acts as a lateral inhibitory factor in lung branching morphogenesis in vitro"Mechanisms of Development. (in press). (2002)
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[Publications] Cohen, M.M., Shiota, K.: "Teratogenesis of holoprosencephaly"American Journal of Medical Genetics. (in press). (2002)