2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子変異調節マウスによるギャップ結合蛋白多重発現制御系の分子解剖学的研究
Project/Area Number |
13470004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柴田 洋三郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90037482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西井 清雅 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20264020)
稲井 哲一朗 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00264044)
中村 桂一郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20172398)
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Keywords | 心臓 / ギャップ結合 / コネキシン / gene targeting / heart / gap junction / connexin / Cre / loxP |
Research Abstract |
1.条件下Cx45欠損アリルのホモ接合体マウスが野生型同様に健常であることが確認された。このマウスを心筋アクチンプロモーターCreマウスと交配し、心筋特異的にCx45を欠損させた結果、単純Cx45欠損マウス同様に胎生早期に致死となることが明らかとなった。ターゲティングベクターはCre/loxP組換えに伴ってnls-lacZが発現するように工夫されており、心筋のみにnls-lacZの発現によるX-galの沈殿が認められた。また、Cx45を欠損するES細胞から心筋を分化誘導させたところ、拍動は速いが隣接細胞への伝導が遅い特徴的な表現型が認められた。以上の結果から、Cx45は胎生早期の心筋の正常な興奮伝導に必須であることが初めて実証された。 2.一方、血管平滑筋アクチンプロモーターCreマウスとの交配では健常なホモ接合体マウスが得られるため、血管平滑筋においてCx45は必須ではないと考えられる。しかしながらCx45はすべての平滑筋に発現が認められており、今後さらにこの血管平滑筋特異的Cx45欠損マウスを用いて詳細な機能解析を行う予定である。 3.Cx43-Cx45 2重欠損マウスの表現型を微小滴培養にて解析を試みたが、2重欠損細胞の存在は検出されず、Cx43とCx45が同時に欠けると細胞の生存性そのものに重大な欠陥が生じることを示しているようである。 4.上記の通り条件下Cx45欠損アリルを持つマウスが確立されたため、今後はCx45遺伝子座を条件下欠損アリルに置き換えてadenovirusによるin vitroあるいはCre発現マウスとの交配によるin vivoの両面から2重欠損細胞の表現型を解析していきたい。 5.海外の共同研究者、Harvard大David Paul教授およびNIHのCecilia Lo教授と、それぞれneuron/glia specific、neural crest specificなCx45欠損マウスを作製中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Koga et al.: "Overexpression of Polycomb-group gene rae28 in cardiomyocytes does not complement abnormal cardiac morphogenesis in mice lacking rae28 but causes dilated cardiomyopathy"Lab. Invest.. 82・4. 375-385 (2002)
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[Publications] M.Doiguchi et al.: "Complementary DNA cloning and characterization of rat spergen-1, a spermatogenic cell-specfic gene-1, containing a mitochondria-targeting signal"Biol. Reprod.. 66・5. 1462-1470 (2002)
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[Publications] J.Kobayashi et al.: "Formation of tight junction strands by expression of claudin-1 mutants in their ZO-1 binding site in MDCK cells"Histchem. Cell Biol.. 67. 29-39 (2002)
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[Publications] M.Doiguchi et al.: "Spergen-1 might be an adhesive molecule associated with mitochondria in the middle piece of spermatozoa"Dev. Biol.. 252・1. 127-137 (2002)
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[Publications] A.Kuraoka et al.: "Molecular cloning of two guinea pig liver gap junction proteins, connexin32 and connexin26"Fukuoka Acta Medica. 93・9. 178-188 (2002)
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[Publications] 中村 桂一郎他: "ギャップ結合による細胞性ネットワーク-消化管運動ペースメーカー細胞を中心にして-"電子顕微鏡. 37・3. 188-193 (2002)
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[Publications] 柴田 洋三郎: "器官の形成と分化;新女性医学体系29"中山書店. 397 (2002)