2001 Fiscal Year Annual Research Report
腸内細菌による視床下部-下垂体-副腎軸(HPA Axis)可逆性の制御
Project/Area Number |
13470014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保 千春 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80117100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 泰裕 東海大学, 医学部, 教授 (60170221)
須藤 信行 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60304812)
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Keywords | HPA axis / 腸内細菌 / 無菌マウス / 単一細菌マウス |
Research Abstract |
無菌マウスでのHPA axisの過大反応が腸内細菌を再構成することにより通常の腸内細菌叢(SPF)のレベルまで正常化するか否かについて次の2つの方法により検証した。 まず、初めに、実験環境を厳密にコントロールした上で、SPFの糞便を無菌(GF)マウスに移入することでGFマウスのHPA axisの反応性が正常化するかについて検討した。その結果GFマウスの過大反応性は、SPFマウスの糞便を移入することにより時間とともにSPFのレベルまで低下することが確認された。 次に、ヒトの最優勢常在菌のひとつであるBifidobacterium infantisまたはBacteroides vulgatusのみで構成された単一細菌マウス(gnotobiotic mouse)を作製し、その反応性をGF, SPFマウスと比較、検討した。その結果、GFマウスで認められたHPA axisの過大反応は、Bacteroides vulgatusのみを有するマウスでは部分的に、また、Bifidobacterium infantisのみを有するマウスでほぼ完全に抑制された。以上の結果より、成長後のHPA axisの反応性の制御に腸内細菌が深く関与していること、また、細菌の違いによりその関与の度合いは異なることが示唆された。 また、通常のSPF環境下で飼育された離乳直後のマウスヘ、1週間に亘り非吸収性の抗生物質であるバシトラシンおよびカナマイシンを投与し腸内細菌をdecontaminationしたところ、成長してからのHPA axisの反応性は抗生剤投与も腸内細菌を介しHPA axisの反応性へ影響をあたえうる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Oyama, et al.: "Antibiotic use during infancy promotes a shift in the TH1/TH2 balance toward TH2-dominant immunity in mice"J. Allergy Clin Immunol. 107・1. 153-159 (2001)
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[Publications] X.N.Yu, et al.: "Central and peripheral catecholamines regulate the exercise-induced elevation of plasma interleukin 6 in rats"Life Sciences. 69. 167-174 (2001)
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[Publications] H.Nukina, et al.: "Restraint stress elevates the plasma interleukin-6 levels in germ-free mice"Journal of Neuroimmunology. 115. 46-52 (2001)