2001 Fiscal Year Annual Research Report
小脳プルキンエ細胞LTDにおけるIP_3の役割〜IP_3イメージング法によるアプローチ
Project/Area Number |
13470019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 謙造 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00292730)
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Keywords | 小脳 / プルキンエ細胞 / イノシトール三リン酸 / カルシウム / リアノジン / イノシトールリン脂質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小脳プルキンエ細胞においてIP3をイメージングし、LTD誘発機構におけるIP3の役割を時間的および空間的コンテクストにおいて明らかにすることである。この目的のため平成13年度は研究計画に従って、主に培養細胞系を用いて、マウス小脳プルキンエ細胞でのIP_3イメージングに関して主に基礎的な実験を行った。IP_3イメージングのためのプローブとしては研究計画にあるとおりGFP-PHD(グリーンフルオレセント蛋白(GFP)とホスホリパーゼCδ1のPHドメインの融合蛋白)を用い、この融合蛋白をコードする遺伝子を導入することによって、プローブ蛋白を細胞内で発現させることに成功した。この際、ベクターとしてはSindbisウイルスを用いた。グルタミン酸あるいは代謝型グルタミン酸受容体のアゴニストACPDの投与でプルキンエ細胞内のIP_3濃度が上昇することが可視化された。さらに驚くべきことにイオンチャネル型グルタミン酸受容体のアゴニストAMPAによってもIP3が産生されることを発見し、これが細胞外からのカルシウム流入を介することを明らかにした。今後はこの発見を踏まえて、平成14年度の計画にあるLTDとの関連について明らかにしていく予定である。特に局所的なIP_3産生がシナプス特異的であるLTDという現象の局所性に合致しうるかどうかに着目し、計画の通り、スライス標本での実験に移行していく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤原明子, 他: "Reduced IP_3 sensitivity of IP_3 receptor in Purkinje neurons"NeuroReport. 12巻12号. 2647-2651 (2001)
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[Publications] 大久保洋平, 他: "Visualization of IP_3 dynamics reveals a novel AMPA receptor-triggered IP_3 production pathway mediated by voltage-dependent Ca^<2+> influx in Purkinje cells"Neuron. 32巻1号. 113-122 (2001)
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[Publications] 並木繁之, 他: "Mapping of heme binding domain in soluble guanylyl cyclase β1 subunit"Biochemical and Biophysical Research Communication. 288巻4号. 798-804 (2001)
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[Publications] 江藤一弘, 他: "Phosphatidylinositol 3-kinase suppresses glucose-stimulated insulin secretion by affecting post-cytosolic[Ca^<2+>elevation signals]"Diabetes. 51巻1号. 87-97 (2002)
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[Publications] 小山田英人, 他: "Novel mutations in C-terminal channel region of the ryanodine receptor in malignant hyperthermia patients"Japanese Journal of Pharmacology. 88巻2号. 159-166 (2002)
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[Publications] 上田泰己, 他: "Intercellular Coupling Mechanism for Synchronized and Noise-Resistant Circadian Oscillators"Journal of Theoretical Biology. (印刷中).