2001 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子p53による細胞周期、アポトーシスの制御機構の解析
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13470032
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
田中 信之 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (80222115)
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Keywords | p53 / アポトーシス / Bc1-2ファミリー因子 / BH3-only因子 / Noxa / PUMA / Bax / Bak |
Research Abstract |
我々が同定した、p53標的因子Noxaの解析を行なう過程で、p53によるアポトーシス誘導はBc1-2ファミリーのうちのBaxサブファミリーに属するBaxとBakを共に欠損させたマウスの細胞では全く起きないこと、Noxaによるアポトーシスも両欠損細胞では認められないことが最近報告された。しかしながら、解析の結果NoxaとBaxやBakとの結合は全く検出されず、NoxaによるBaxやBakの活性化は認められなかった。従って、Noxaによるアポトーシスの誘導は、Bc1-2, Bc1-XL等のアポトーシスの抑制に働くBc1-2サブファミリー因子と結合することで、あらかじめBakやBaxを抑制していた機能が解除されて、アポトーシスが誘導されるものと考えられるが、細胞周期の制御が破綻した特、Noxaによるアポトーシスの誘導は増強するもののNoxaとBc1-2サブファミリー因子との結合の上昇は認められなかった。従って、Noxa以外に細胞周期制御の破綻時に誘導される実行因子が存在し、それの働きを助けるためにNoxaが誘導されるのではないかと考えられた。実際、Noxa欠損マウスの胎児線維芽細胞(MEF)にE1Aを発現させて抗がん剤を投与したときのアポトーシスの誘導(p53に完全に依存している)はNoxa欠損MEFでは著明に減弱はするものの、誘導されるという結果を得ている。また、今年度になって新たに報告されたp53によって誘導されるNoxa類似因子であるPUMAに関しても、BaxやBakとの結合は認められず、これらのBH3-only因子はp53によるアポトーシス誘導の感受性を上昇させる為に誘導されるのではないかと想像された。同時に、Rb系の制御が破綻したMEFはp53を活性化すると細胞周期の停止のみではなくアポトーシスが誘導されるようになるが、このような細胞でもp53によるNoxaの誘導には変化は認められなかった。従って、Rb系の制御が破綻したMEFではじめてp53によって誘導されるような標的遺伝子が存在し、その中に重要なアポトーシス誘導因子が存在することが考えられた。現在、それに合致する一群の候補遺伝子を同定している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hata, N. et al.: "Constitutive IFN-α/β signal for efficient IFN-α/β gene induction by virus"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 285. 518-525 (2001)
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[Publications] Mitani, Y. et al.: "Cross talk of the interferon-α/β singnalling complex with gp130 for effective interleukin-6 signalling"Genes Cells. 6. 631-640 (2001)
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[Publications] Nakaya, T. et al.: "Gene induction pathways mediated by distinct IRFs during viral infection"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 283. 1150-1156 (2001)
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[Publications] Sato, K. et al.: "Antiviral response by natural killer cells through TRAIL gene induction by IFN-α/β"Eur. J. Immunol.. 31. 3138-3146 (2001)
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[Publications] Sato, M. et al.: "The interferon system and interferon regulatory factor transcription factors - studies from gene knockout mice"Cytokine Growth Factor Rev.. 12. 133-142 (2001)
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[Publications] Taniguchi, T. et al.: "IRF family of transcription factors as regulators of host defense"Annu. Rev. Immunol.. 19. 623-655 (2001)