2003 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子p53による細胞周期、アポトーシスの制御機構の解析
Project/Area Number |
13470032
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
田中 信之 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80222115)
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Keywords | p53 / アポトーシス / 細胞周期 / Bcl-2ファミリー分子 / BH3-only因子 / Noxa / PUMA / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
我々は、p53の標的遺伝子であり、アポトーシス制御に重要なBcl-2ファミリー分子Noxaを同定し、解析してきた。本年度は、Noxa欠損マウスを作製して解析を行った。Noxaの矢損は発生、成長、生殖に関しては全く影響を及ぼさなかった。p53欠損マウスでは、胸腺細胞のDNA損傷刺激に対するアポトーシスの誘導がみられなくなるという現象がよく知られているものの、Noxa欠損マウスの胸腺細胞は、野生型マウスと同様のアポトーシス誘導が観察された。一方、癌遺伝子であるアデノウイルスE1Aを遺伝子導入したマウス胎児線維芽細胞(MEF)にアドリアマイシン等のDNA損傷刺激を加えるとp53依存性のアポトーシスが誘導されるが、Noxa欠損MEFではこのアポトーシス誘導が減弱していた。このアポトーシス誘導の減弱は、ミトコンドリアでのBax及びBakの活性化レベルでの抑制によるものであり、実際にNoxaはBax/Bakの上流で働くことも明らかとなった。更には、マウス個体にX線照射した際の急性に起こる個体死の上昇が、p53欠損マウスと同様にNoxa欠損マウスで低下していること、急性に起こる腸上皮細胞(cryptの幹細胞、絨毛上皮の分化した細胞共に)のアポトーシスの誘導がp53,Noxa共に低下している事を見出した。これらの結果から、実際にp53によるアポトーシスの誘導をNoxaが(全てでは無いものの、その一部を)媒介していることを明らかにした。 一方、我々の発表の後になってNoxaと同様にp53によって発現誘導されるBH3-only因子であるPUMAの欠損マウスが作製され、PUMAが胸腺細胞のアポトーシスを含めて様々なp53誘導性アポトーシスの制御に部分的に関わることが報告され、我々の解析と合わせてp53によるアポトーシスの誘導にはBH3-only因子の発現誘導が重要であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)