2001 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白質Ralによる細胞内小胞輸送と細胞接着の制御機構
Project/Area Number |
13470038
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菊池 章 広島大学, 医学部, 教授 (10204827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 昭世 広島大学, 医学部, 講師 (50274064)
小山 眞也 広島大学, 医学部, 助教授 (00186834)
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Keywords | エンドサイトーシス / 細胞接着 / 細胞運動 / POB1 / パキシリン / プロリンリッチ部位 / SH3領域 |
Research Abstract |
これまでに私共はRalの下流分子であるRalBP1とPOB1、Eps15、Epsinが相互に結合し、さらにクラスリンやAP-2と結合することにより、受容体のエンドサイトーシスを制御していることを明らかにしてきた。これらの分子のうち、POB1は低分子量G蛋白質Ralの標的蛋白質RalBP1に結合する蛋白質として同定した。POB1は、その中央部のEH(Eps15 Homology)ドメインを介して、EpsinならびにEps15と結合し、インスリンとEGFレセプターのリガンド依存性エンドサイトーシスの制御に関与しいる。一方、POB1のC末端側にはRallBP1結合部位と、SH3領域を持つ蛋白質との結合が考えられるプロリンリッチ部位が3個存在する。POB1の機能を明らかにするために、そのC末端に結合する蛋白質をスクリーニングし、Arf-GAPであるPAG2(ASAP1)を単離した。POB1の3番目のプロリンリッチ部位とPAG2のSH3ドメインを含むC末端側が直接結合し、またPOB1のこの部位のProをAlaに置換した変異体(POB1PA)はPAG2と結合しなかった。POB1上でのPAG2とRalBP1の結合部位は異なっており、CHO細胞内でPOB1とPAG2、RalBP1は三量体を形成した。PAG2のホモログであるPAG3はインテグリンの裏打ち蛋白質であるパキシリンと結合して、細胞運動を調節することが知られている。PAG2の過剰発現はパキシリンの接着斑への局在を阻害することにより、CHO細胞の運動を抑制した。POB1の過剰発現はCHO細胞の運動に影響しなかったが、PAG2による運動抑制を解除した。POB1PAはPAG2の細胞運動抑制作用を解除できなかった。POB1はPAG2のC末端側と結合するので、PAG2のN末端側による細胞運動抑制作用を解除できなかった。したがって、POB1はエンドサイトーシスを制御すると共に、PAG2と結合することにより細胞運動も制御する可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Itoh T.: "Role of the ENTH domain in phosphatidylinositol-4, 5-bisphosphate binding and endocytosis"Science. 291. 1047-1051 (2001)
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[Publications] Koshiba, S.: "Solution structure of the epsin N-terminal homology(ENTH)domain of human epsin"J. Struct. Funct. Genomics. 2. 1-8 (2001)
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[Publications] Hino, S: "Inhibition of Wnt signaling pathway by Idax, a novel Dv1-binding protein"Mol. Cell. Biol.. 21. 330-342 (2001)
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[Publications] Furuhashi, M.: "Axin facilitates Smad3 activation in transforming growth factor-β signaling"Mol. Cell. Biol.. 21. 5132-5141 (2001)
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[Publications] Yamamoto, H.: "Inhibition of the Wnt signaling pathway by the PR61 subunit of protein phosphatase 2A"J. Biol. Chem.. 276. 26875-26882 (2001)
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[Publications] Kishida, M.: "Synergistic activation of the Wnt signaling pathway by Dv1 and casein kinase Iε"J. Biol. Chem.. 276. 33147-33155 (2001)