2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛における神経再生と新規神経回路網形成に関する研究
Project/Area Number |
13470039
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 誠二 関西医科大学, 医学部, 教授 (80201325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 伸治 関西医科大学, 医学部, 助手 (70276393)
山田 久夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (00142373)
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Keywords | 神経再生 / 神経因性疼痛 / ネスチン / 脊髄 / 後根神経節 |
Research Abstract |
最近、パーキンソン病をはじめとする中枢神経系疾患の治療法として神経幹細胞を用いた神経再生に期待が集まっている。本研究では神経幹細胞に発現する中間径フィラメントnestinのプロモーター制御下にGFP蛋白を発現するトランスジェニックマウス(pNestin-GFPマウス)を用いて、一次求心性C線維を特異的に除去する前処置や神経の部分切断を行い、神経再生と神経回路網の再構築がどのように生じ、神経因性疼痛の発生にどのように関係しているのかを個体の行動レベルと組織・細胞レベルで明らかにすることを目的として実験を行い、以下の知見が得られた。 1 正常マウスで腰髄とDRGにおけるGFPの発現パターンを胎児期から成体までの発達段階で詳細に検討した結果、胎児では脊髄の中心管が強く染色され、生後日が進むにつつれて蛍光強度はさがるものの、中心管周囲の細胞がGFP陽性となった。腰髄の切片でも中心管の周囲が強く染まった。DRGでは一次求心性線維を出している神経細胞には発現せず、神経細胞を取り囲むpericyteSに強く発現していた。 2 坐骨神経結紮モデルを作製した。このモデルマウスでは1週間後に熱や機械的刺激に対して痛覚過敏反応を示す。それと同時に結紮した肢の脊髄後角にGFP陽性細胞が有意に増加し。このGFP陽性細胞は神経細胞のマーカーであるMAP-2やPGP9.5、アストログリアのマーカーであるGFAPいずれに対しても共染されなかった。GFP陽性細胞がどのように中心管から痛みの伝達部位である脊髄後角に移動するのか、また、神経幹細胞に分化していくのか、現在、神経結紮モデルで経時的に、空間的に検討している。さらに、来年度は他のモデルにおいても解析を進める予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Minami, T.: "Characterization of the glutamatergic system for induction and maintenance of allodynia"Brain Res.. 895. 178-185 (2001)
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[Publications] Minami, T.: "Effects of Capsaicin Cream on Prostaglandin-induced Allodynia"Anesth. Analg.. 93. 419-423 (2001)
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[Publications] Minami, T.: "Characterization of EP receptor subtypes responsible for prostaglandin E_2-induced pain responses by use of EP_1 and EP_3 receptor knockout mice"Br. J. Pharmacol.. 133. 438-444 (2001)
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[Publications] Maruyama, R.: "Effects of amino acids on the amidation of polyaromatic carboxylic acids by bacillus cereus"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 65. 1761-1765 (2001)
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[Publications] Ito, S.: "Central and peripheral roles of prostaglandins in pain and their interactions with novel neuropeptides nociceptin and nocistatin"Neuroscience Researh. 41. 299-332 (2001)
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[Publications] Doi, Y.: "Central nociceptive role of prostacyclin (IP) receptor induced by peripheral inflammation"NeuroReport. 13. 93-96 (2002)
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[Publications] 伊藤誠二: "オピオイド治療 課題と新潮流 V.痛みの最前線ノシセプチン関連(1)ノシスタチンの鎮痛作用"エルゼビア・サイエンス株式会社ミクス. 309 (2001)