2003 Fiscal Year Annual Research Report
MMP-12の動脈硬化発生における役割-トランスジェニックウサギを用いた研究
Project/Area Number |
13470046
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
渡辺 照男 佐賀大学, 副学長 (40037396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北嶋 修司 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助手 (70284643)
森本 正敏 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助教授 (90136482)
范 江霖 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (60272192)
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Keywords | 遺伝子導入 / 動物モデル / トランスジェニックウサギ / 細胞外質 / MMPs / 動脈硬化 / 炎症 / 高脂血症 |
Research Abstract |
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は金属依存性の細胞外マトリックス分解酵素であり、ヒトでは現在までに30種類以上のMMP分子が存在することが明らかとなっている。MMPは細胞外基質を分解することによりリュウマチ関節炎、動脈硬化、肺気腫、ガン転移などの発生に重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では、これらの炎症疾患の発生におけるMMP-12の役割をin vivoで解明することを目的として、ヒトMMP-12を過剰発現するトランスジェニック(Tg)ウサギ・モデルの開発を試みた。本年度は、MMP-12・Tgウサギを用いた実験を行い、以下の結果が得られた。 1.肉芽腫の形成におけるMMP-12の検討:皮下へのCarrageenanの注入による肉芽腫モデルを作成し、マクロファージから産生されるMMP-12の肉芽腫形成に及ぼす影響について検討した。正常ウサギに比し、Tgウサギの肉芽腫はサイズが大きくマクロファージの浸潤も高度であった。さらにTgウサギの肉芽腫マクロファージにおいてMMP-12産生能が亢進していることを報告した(Fan et al.Transgenic Res 2004)。 2.リュウマチ関節炎の進展におけるMMP-12の役割:関節炎の手術から得られた47例のリュウマチ関節炎患者の滑膜標本と滑膜液を使い、MMP-12の発現程度について骨関節炎患者と比較した。リュウマチ患者の滑膜で高度なMMP-12の発現が認められた(Liu et al.Arthritis Rhemat 2004)。さらに、正常及びTgウサギを用いて、薬剤誘導性の炎症性関節炎モデルを作成し、関節炎の進展程度を検討した。Tgウサギの関節炎では滑膜の増殖や軟骨破壊の程度が正常ウサギより高度であった。以上の研究結果はすでに投稿中である(Wang et al.Am J Pathol 2004)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Wu, L.: "Matrix metalloproteinase-12 gene expression in human vascular smooth muscle cells."Genes Cells. 8. 225-234 (2003)
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[Publications] Shiomi, M.: "Development of an animal model for spontaneous myocardial infarction (WHHLMI rabbit)."Arterioscler Thromb Vasc Biol. 23. 1239-1244 (2003)
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[Publications] Fan, J.: "Transgenic rabbits as therapeutic protein bioreactors and human disease models."Pharmacol Ther. 99. 261-282 (2003)
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[Publications] Koike, T.: "Overexpression of lipoprotein lipase in transgenic Watanabe heritable hyperlipidemic rabbits improves hyperlipidemia and obesity."J Biol Chem. 279. 7521-7529 (2004)
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[Publications] Fan, J.: "Macrophage-specific overexpression of human matrix metalloproteinase-12 in transgenic rabbits."Transgenic Res. (In press). (2004)
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[Publications] Ichikawa, T.: "Overexpression of lipoprotein lipase in transgenic rabbits leads to increased small dense LDL in plasma and promotes atherosclerosis."Lab Invest. (In press). (2004)