2003 Fiscal Year Annual Research Report
TLR4およびRP105分子による病原体認識機構の解明と免疫治療への応用
Project/Area Number |
13470073
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
木本 雅夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (40153225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 健介 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60229812)
長澤 浩平 佐賀大学, 医学部, 教授 (00108721)
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Keywords | TLR4 / MD-2 / RP105 / 川崎病 / アイソフォーム / 融合蛋白 / LPS / 変異蛋白 |
Research Abstract |
(1)免疫疾患におけるTLR4、RP105分子と病態との関連 自己免疫疾患、特にSLE患者ではRP105陰性のB細胞集団が増加している。本年度は、SLE以外の自己免疫疾患についての解析をおこなった。その結果、シェーグレン症候群、皮膚筋炎でも有意なRP105陰性のB細胞集団の増加を認めた。また、川崎病ではRP105陽性のB細胞集団の増加を観察しており、病態との関連性の解析を進めている。 (2)TLR4、RP105分子の構造解析 本年度はMD-2分子の構造解析を重点的におこなった。大腸菌に発現させたヒトMD-2-チオレドキシン融合蛋白は、発現に用いた大腸菌由来のLPSと結合した形で精製されてくことが明らかになった。LPSとの結合は強く、いろいろな条件を試みたが解離させることできなかった。MD-2分子を単独で精製するために、MD-2蛋白のLPS結合部位と思われるアミノ酸に変異を導入した。この変異蛋白はLPS結合性を有しておらず、90%以上の純度で大量精製が可能となった。現在、立体構造解析のための結晶化を試みている。 (3)MD-2分子アイソフォームの解析 MD-2アイソフォームを発現させると、TLR4/MD-2を介したLPS刺激を抑制することがわかった。さらにMD-2アイソフォームはTLR4と結合するが細胞表面には発現しないこと見出した。このことから、MD-2アイソフォームによるLPS刺激抑制は、MD-2とMD-2アイソフォームのTLR4に対する結合競合阻害の結果、TLR4/MD-2分子の細胞表面への発量が減少することが原因と考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kimoto M: "Role of TLR4/MD-2 and RP105/MD-1 in innate recognition of lipopolysaccharide."Scand J Infect Dis. 35. 568-572 (2003)
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[Publications] 福留健司: "MD-2蛋白の大腸菌での発現"日本免疫学会総会誌. 33. 126 (2003)
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[Publications] 太田昭一郎: "MD-2アイソフォームによるLPSシグナル制御"日本免疫学会総会誌. 33. 121 (2003)
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[Publications] 常吉直子: "CHO細胞でのMD-1の発現とその構造解析"日本免疫学会総会誌. 33. 124 (2003)
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[Publications] Tsuneyoshi N: "Expression of MD-1 protein in CHO cells."生化学. 75. 873 (2003)