2001 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧に関する遺伝子・生活習慣因子の相互作用に関する疫学研究
Project/Area Number |
13470085
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
辻 一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20171994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 光伸 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30282073)
今井 潤 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40133946)
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Keywords | 高血圧 / 地域住民 / 24時間自由行動下血圧 / 家庭血圧 / 遺伝子多型 / 生活習慣 / 循環器疫学 / 危険因子 |
Research Abstract |
現在、岩手県稗貫郡大迫町の住民の血液検体を用いて遺伝子多型と血圧、特に家庭で測定される家庭血圧(HBP)、24時間自由行動下血圧(ABP)の関連を調査中である。以下に本年度報告した論文を中心に概要を示す。 1)日本人には上皮性Naチャネル(ENaC)のβサプユニットにおいてP592SとV434M遺伝子多型が存在するが高血圧の原因とはならない。 これまで黒色人種においては、ENaCのβサブユニット遺伝子多型にT594MとG442Vが報告され、高血圧と関連していると報告されている。HBP測定を行った一般住民から無作為抽出された803人で調査したところT594MとG442V多型はともに認められなかった。一方、エクソン8でV434M(論文1)エクソン12にP592S多型が認められた。これらの多型と家庭血圧値および高血圧の有病率には有意な関連は認められなかった。 2)アルドステロン合成酵素遺伝子(CYP11B2)は血圧レベルに影響はないが、血圧リズムへの影響がある。 CYP11B2は、CYP11B1(コルチゾール合成酵素遺伝子)とのキメラにより先天性高血圧症を引き起こす。このためCYP11B2の多型解析が世界的に行われている。大迫研究ではHBPやABPを測定した1298人で調査したところ、日本人では-344T/Cなど3多型が存在することが判明した(論文2)。そこで-344T/Cを解析したところ、この-344T/Cが血圧レペルではなく血圧リズムに影響があることが分かり、さらに心血管病の既往でも差が認められた(論文3)。 3)エンドセリン1(ET1)遺伝子多型は日本人の肥満者において血圧値に影響を与える。 これまでいくつかの研究で肥満者においてET1多型と血圧の間に関与があることが知られていた。そこでET1多型と住民健診などで得られる随時血圧との関連を調査した。その結果、全対象で調査したところET1多型と随時血圧値との間に関連は認められなかったが、肥満者(BM125kg/m^2以上)とそうでない者を層別化したところ、Tアリル(TT+GT型)でGG型と比べて拡張期血圧が1.8mmHg高かった(論文4)。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Matsubara M, et al.: "Genotype of the βENaC gene have little influence on blood pressure : the Ohasama Study"American Journal Hypertension. 15. 189-192 (2002)
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[Publications] Matsubara M, et al.: "Aldosterone synthase gene (CYP11B2) C-334T polymorphism, ambulatory blood pressure and nocturnal decline in blood pressure in the general Japanese population : the Ohasama Study"Journal of Hypertension. 19. 2179-2184 (2001)
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[Publications] Matsubara M, et al.: "Haplotypes of aldosterone synthase (CYP11B2) gene in the general population of Japan : the Ohasama study"Clinical and Experimental Hypertension. 23. 603-610 (2001)
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[Publications] Asai T, et al.: "Endothelin-1 gene variant associates with blood pressure in obese Japanese subjects : the Ohasama study"Hypertension. 38. 1321-1324 (2001)
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[Publications] Hozawa A, et al.: "Factors affecting the difference between screening and home blood pressure measurements : the Ohasama Study"Journal of Hypertension. 19. 13-19 (2001)
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[Publications] Imai Y, et al.: "Usefulness of home blood pressure measurements in assessing the effect of treatment in a single-blind placebo-controlled open trial"Journal of Hypertension. 19. 179-185 (2001)
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[Publications] Kato J, et al.: "Risk factors and predictors of coronary arterial lesions in Japanese hypertensive patients"Hypertension Research. 24. 3-11 (2001)
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[Publications] Chonan K, et al.: "Device for the self-measurement of blood pressure that can monitor blood pressure during sleep"Blood Pressure Monitoring. 6. 203-205 (2001)
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[Publications] Ohkubo T, et al.: "Prognostic impact of 24-hour mean blood pressure and pulse pressure on stroke"Circulation. 18. E160 (2001)