2003 Fiscal Year Annual Research Report
臭化メチルの代替化学物質の人体影響及び環境負荷に関する影響評価手法の開発
Project/Area Number |
13470092
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
甲田 茂樹 高知大学, 医学部, 教授 (50205332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 誠史 高知大学, 医学部, 助教授 (30240899)
大原 啓志 高知大学, 医学部, 教授 (00033209)
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Keywords | 産業保健 / 土壌薫蒸 / 環境保健 / 臭化メチル / 生体影響 / 環境負荷 / メチルイソチオシアネート / 化学物質曝露 |
Research Abstract |
臭化メチルはオゾン破壊化学物質としてその製造や使用が規制されるようになってから、ポスト臭化メチルとして様々な土壌燻蒸剤が提案されてきたが、MITC(メチルイソチオシアネート)もその有力な化学物質であり、高知県では早くからその使用が検討されてきた。本研究では、このMITCの人体影響及び環境負荷に関する影響評価手法を開発することとを目的として、高知県で使用されているダゾメット剤による薫蒸作業を対象にして、高知県内の農家25戸を対象にしてMITCを用いた土壌薫蒸作業における職業性曝露の評価について、薫蒸作業時、苗の植え付けまでの期間でのハウス内作業時、苗の植え付け時と、作業の経過ごとに個人曝露の状態を評価した。薫蒸作業時には灌水に伴うダゾメット剤の化学反応により、作業時間の長い場合に曝露量が多く、眼や皮膚の刺激症状や呼吸症状を訴えており、明らかな皮膚障害を残した事例も散見された。また、ダゾメット剤散布直後より、ハウスから出される排水中にMITC及びアンモニア、二流化炭素等を検出しており、分析結果からもその後、数ヶ月にわたって土壌中、数日程度にわたり、排水中にこれらの化学物質を検出した。散布された多くのMITCはアンモニア、二流化炭素として気中に拡散しているものと考えられ、環境への負荷も大きいことが確認できた。農業者へのアンケート調査では、燻蒸前後に眼・皮膚・呼吸器等の粘膜症状や頭痛・めまい等の中枢神経症状の訴えが高く、農業者自身は健康障害への不安感が強い。今後は、長期的なMITC使用に伴う健康障害の発生の有無を監視していく必要がある。
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