2002 Fiscal Year Annual Research Report
長期コホート研究によるADL阻害要因評価指標の開発
Project/Area Number |
13470094
|
Research Institution | WAKAYAMA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
坂田 清美 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (50225794)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 典子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60240355)
|
Keywords | コホート研究 / ADL / 喫煙 |
Research Abstract |
今年度は、美山村および太地町において50歳以上の住民を対象として新たにADL調査を実施した。美山村の調査対象者は男587人、女726人で、男508人(86.5%)、女640人(88.2%)より回答が得られた。太地町では、対象者が男866人、女1094人で、男781人(90.2%)、女1035人(94.6%)より回答が得られた。調査項目は、ADL、生活の満足度、幸福感、生きがい、既往歴等である。ADLの調査項目(食事、排泄、着替え、入浴、屋内移動、屋外移動)のうち、1項目以上で介助または補助具を必要とする場合を障害ありとした。既往歴および生活の満足度、幸福感、生きがいとADL障害との関連は、ロジスティックモデルを用いて解析した。また、美山村においては、ADL調査と1988年から1989年にかけて設定したコホート1369人とのレコードリンケージを行った。2000年末まで追跡し、死亡・転出を確認した。その結果、男130人、女93人、計223人の死亡を確認できた。コホートのうち、925人についてADLの状態を評価することができた。総死亡とADL低下についてCoxの比例ハザードモデルにて関連を解析した。美山村では男では、脳卒中、心筋梗塞、悪性新生物の既往のある者で有意な関連がみられた。女では脳卒中、心筋梗塞、大腿骨頸部骨折、糖尿病と有意な関連がみられた。太地町では、男では脳卒中、糖尿病、女では脳卒中、大腿骨頸部骨折、糖尿病、腎臓病の既往と有意な関連がみられた。コホート研究では、睡眠時間が8時間以上の者では7〜8時間の者に比べ、歩行時間が30分未満の者で以上の者に比べ、天然果汁の摂取が月月2回以内の者で週1回以上の者に比べ、喫煙者において吸わない者に比べ、「生きがい」があるとはっきりいえない者でのある者に比べ死亡およびADL低下のリスクの上昇がみられた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 坂田清美: "生きがい、ストレス、頼られ感と循環器疾患、悪性新生物死亡との関連"厚生の指標. 49(10). 14-18 (2002)
-
[Publications] Hoshiyama Y: "A prospective study of stomach cancer death in relation to green tea consumption in Japan"British Journal of Cancer. 87. 309-313 (2002)
-
[Publications] 坂田清美: "加齢による血圧上昇"動脈硬化予防. 1(2). 14-19 (2002)
-
[Publications] 坂田清美: "公衆衛生マニュアル"南山堂. 234 (2002)