2003 Fiscal Year Annual Research Report
破局的ストレスとコーピングスタイルが内分泌系と記憶・感情機能に作用する機序の解明
Project/Area Number |
13470100
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
内富 庸介 国立がんセンター, 研究所・精神腫瘍学研究部, 部長 (60243565)
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Keywords | ストレス / 海馬 / 扁桃体 / MRI / 体積 / がん / 苦痛な想起 |
Research Abstract |
これまで、動物を用いた研究から、大脳辺縁系の一つである海馬および扁桃体はストレス対処と関連することが知られている。ヒトにおいても、ストレス関連疾患である大うつ病や外傷後ストレス障害において小さな海馬体積や扁桃体の過活動が観察されている。本研究は、ヒトにおける、海馬および扁桃体体積と破局的体験であるがん体験後に認められるがんに関連した苦痛な想起との関連を検討することを目的としている。平成14年度までに、まずMRIを用いた海馬および扁桃体体積の測定方法を開発し、術後3年以上経過した乳がん生存者を対象にした横断研究で、がんに関連する苦痛な想起の有る群は無い群と比較して有意に左海馬及び左扁桃体の体積が小さいことを見出した。しかし、この体積差とがんに関連する苦痛な想起との因果関係が明らかでないため、術後15ヶ月以内及び3年以上経過時の2時点でのMRI及び構造化臨床面接調査を行う縦断的研究を、すでに開始している。平成15年度末までに、術後15ヶ月以内の調査を122名に行い、その内82名は3年後の追跡調査も終了している。また、がんを経験していない81名の健常者対照群でも同様に調査を行っており、うち46名については3年後の追跡調査も終了している。さらに、先に開発した扁桃体体積測定法の精度と信頼性を高め、多施設で共有できるよう方法を確立し、上記縦断研究での対象及び健常者対照について、術後15ヶ月以内の調査時での全脳及び扁桃体の体積測定を終了した。今後、3年後の追跡調査が終了した後に健常者を対照とし、縦断的に観察した海馬および扁桃体体積の変化を苦痛な想起の有無間で比較検討を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Matsuoka Y: "A volumetric study of amygdala in cancer survivors with intrusive recollections"Biol Psychiatry. 54. 736-743 (2003)
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[Publications] Akechi T: "A traumatized oncology nurse after a patient suicide"Psychosomatics. 44. 522-523 (2003)
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[Publications] Fujimori M: "Communication skills training for Japanese oncologists on how to break bad news"J Cancer Educ. 18. 194-201 (2003)
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[Publications] Uchitomi Y: "Depression and psychological distress in patients during the year after curative resection of non-small cell lung cancer"J Clin Oncol. 21. 69-77 (2003)
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[Publications] Akechi T: "Post traumatic symptoms experienced by a nurse after a patient suicide"Jpn J Gen Hosp Psychiatry. 16. 49-54 (2004)
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[Publications] Akechi T: "Major depression, adjustment disorders, and post-traumatic stress disorder in terminally ill cancer patients : associated and predictive factors"J Clin Oncol. in press.