2002 Fiscal Year Annual Research Report
キャピラリー電気泳動による超高速SNP分析法の開発
Project/Area Number |
13470102
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石津 日出雄 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70033157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 敬 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40304307)
宮石 智 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90239343)
山本 雄二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30136379)
稲垣 幸代 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00325086)
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Keywords | DNA多型 / 一塩基多型(SNP) / ABO式血液型 / HLA-DRB1型 / 性染色体 / 多座位同時検出法 / 高速分析法 / キャピラリー電気泳動 |
Research Abstract |
本年度の研究経過および成績は以下に示すとおりである。 ABO式血液型、HLA-DRB1型、Y染色体上のSNP座位等の複数の多型DNA部位をPCRにより増幅し、それらの産物の一部を鋳型として、蛍光ラベルddNTPと各塩基置換部位(SNP)に対応した塩基長の異なる10本程度の非蛍光ラベルプライマーを用いた一塩基プライマー伸長反応により複数座位のSNPの同時分析を行った。次いで、プライマー伸長反応により得られた蛍光ラベルDNAフラグメントを、キャピラリー電気泳動装置(ABI PRISM 310 Genetic Analyzer)を用いて検出し、GeneScan Analysis Softwareを用いて解析することにより各SNP座位の塩基配列を決定した。 ABO式血液型遺伝子内の7個のSNPを本法により同時分析し、遺伝子型を明確に判定することが可能であった。また、この方法を法医学上の実際例に応用する際に問題となる検出感度、正確さ、加熱の影響等について検討し、良好な成績を得た。 Y染色体上の15座位のSNPを本法により同時の検出し、そのハプロタイプ解析が可能であった。 なお、HLA-DRB1遺伝子座のSNP検出については、DRB1座の各対立遺伝子を大きく3つのグループに分け、それぞれのグループ毎に複数のSNP部位を検出してHLA-DRB1遺伝子型をタイピングする方法について検討し、主要なDRB1対立遺伝子を総てのタイピングできる分析系をほぼ確立した。 さらに、ヒトの各染色体上の合計38個のSNP座位を5つの検出グループに分け、それぞれのグループ毎に一塩基プライマー伸長反応を行った後、時間差連続インジェクション法を採用したキャピラリー電気泳動により同時検出して38座位のSNPの遺伝子型を一度の電気泳動でタイピングする方法をほぼ確立した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 土井裕輔: "SNaPshot Kitを用いたSNP解析による新しいABO遺伝子型判定法"DNA多型. 9. 116-119 (2001)
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[Publications] 稲垣幸代: "マルチプレックス1塩基伸長反応を用いたY染色体上の1塩基多型(SNPs)多座位同時検出法の検討"DNA多型. 10. 168-172 (2002)
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[Publications] 土井裕輔: "Multiplex SNPs解析によるABO遺伝子型判定法の法科学的応用"DNA多型. 10. 229-233 (2002)
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[Publications] Inagaki Sachiyo: "Typing of Y chromosome single nucleotide polymorphisms (SNPs) in a Japanese population by a multiplexed single nucleotide primer extension reaction"Legal Medicine. 4. 202-206 (2002)
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[Publications] 今林貴代美: "一塩基伸長反応を用いたSNPs解析によるHLA-DRB1遺伝子型判定法"DNA多型. 11. (2003)
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[Publications] 稲垣幸代: "マルチプレックス1塩基伸長反応による血液型遺伝子を中心とした各染色体上のSNPs同時解析"DNA多型. 11. (2003)