2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470104
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
原 健二 福岡大学, 医学部, 講師 (00090738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 正之 福岡大学, 医学部, 助手 (70301687)
三好 綾 福岡大学, 医学部, 助手 (70309920)
柏村 征一 福岡大学, 医学部, 教授 (70004710)
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Keywords | スペルミン / 尿 / 分析 / ガスクロマトグラフィー / 質量分析法 / 誘導体化 / 簡易分析法 / HPLC |
Research Abstract |
昨年度の研究において、尿試料を分析し、スペルミン検出が酸素欠乏などの障害を示す因子になるのではないかという所見を得ていたが、分析の再現性がなく、分析法の見直しが、本年度の重要課題となっていた。この検出には、大きな意味があると思われ、その方法の簡素化は重要である。そこで、本年度は、ガスクロマトグラフィー・質量分析法GC/MSを中心に、分析の問題点を推考し、その改善を検討した。また、高性能液体クロマトグラフィーHPLCでは、その精度を調べた。スペルミンはガラス器具などへの吸着性が高いと報告があるので、そのことについて調べたが、明確な所見を得ることができなかった。また、誘導体化も、触媒や試薬等の条件を、いろいろ検討したが、ほとんど改善は観られなかった。スペルミンを検出した試料を数人で、同法で処理し、分析し、問題調査を行った。この調査から、当初の方法において、スペルミンは抽出されるが、濃縮時に、スペルミンが消失しやすいことが判明し、その対策を熟考した。スペルミンの誘導体が極めて揮発し易いか、溶媒に溶け難いかであることが考えられたので、抽出の溶媒を変更し、濃縮は攪拌を加えて窒素気流下で行うようにしたことで、改善の兆しがでた。この点を改善することで、スペルミンの分析法において、最も簡易な方法を作製できると考えられる。HPLCでは、装置のパンフレットに準じて、ポストカラム蛍光誘導体化法により検討した。おおよその定量が可能であるが、定量値の再現性に問題があることがわかった。スペルミン分析の明確な論文は少なく、本年度は、試行錯誤の連続であったが、GC/MSによる簡易分析法の開発の糸口をつかむことができたので、来年度は、定量的な分析が可能になり、本研究の本質にいることができる結果となった。
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