2002 Fiscal Year Annual Research Report
HMG1蛋白質およびその受容体分子の体内動態と分布に関する基盤解析
Project/Area Number |
13470108
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
尾崎 承一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00231233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 薫 東北大学, 医学研究科, 助教授 (10267164)
吉田 充輝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (20005648)
山田 秀裕 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (00174730)
大矢 和彦 医学生物学研究所, 伊那研究所・応用技術部, 主任研究員
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Keywords | 抗好中球細胞質抗体 / High Mobility Group / 抗HMG1抗体 / マススクリーニング / 可溶性HMG1蛋白質 / サンドイッチELISA / ショック患者 / RAGE |
Research Abstract |
申請者らは抗好中球細胞質抗体の対応抗原のひとつとしてHigh Mobility Group蛋白質HMG1を同定し、抗HMG1抗体の臨床的意義を解析してきた。本研究では、自己抗原としてのHMG分子、特に分泌蛋白質としてのHMG1分子の機能と動態を解析するためにHMG1分子の血液・体液レベルでの動態解析とHMG1の受容体分子の分布解析を行った。前年度より検討してきた可溶性HMG1蛋白質の測定システムを完成した。この測定系はHMG1に対するポリクローナル/モノクローナル抗体を用いたサンドイッチELISAであり、測定感度は10ng/mlであった。これを用いた臨床応用として、種々の患者血清レベルでのHMG1の変動を解析したところ、ショック症状を呈する患者のうち、特に重篤で致死的な病態の血清に高頻度に検出された(投稿準備中)。動物モデルを用いた可溶性HMG1の意義解析を行なった。このモデルは90%グリソン結紮による致死的な肝疎血モデルマウスで60時間で全例死亡し、それに先行して血中TNF-αおよびHMG1の上昇が見られた。結紮直後にモノクローナル抗HMG1抗体(50〜100μg/匹)を腹腔内投与すると死亡率の低下が見られ、この系の致死過程にHMG1が関与していることが推定された(投稿準備中)。HMG1の培養細胞系への影響を解析し、胆管系細胞株Hucc-T1がHMG1依存性の細胞増殖増強を示す現象を見い出した。Hucc-T1細胞表面のHMG1受容体の同定を含め、この現象の分子機序の解析に着手した。一方、HeLa細胞内でHMG1蛋白質と会合する因子の分離及び同定を試み、16種のタンパク質を同定した。今後は、これらの各因子についてその相互作用の機構を検索するとともに機能解析を進める。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Okazaki T., Ozaki S., et al.: "Antigen-specific Th1 cell as direct effectors of Propionibacterium acnes-primed lipopolysaccharide-induced hepatic injury"Int. Immunol.. 13(5). 607-613 (2001)
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[Publications] Akamizu T., Ozaki S., et al.: "Drug-induced neutropenia associated with anti-neutrophil cytoplasmic antibodies (ANCA) : possible involvement of complement in granulocy tecytotoxicity"Clin Exp. Immunol. 127. 92-98 (2002)
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[Publications] Fujita Y., Ozaki S., et al.: "Leptin inhibits stress-induced apoptosis of T lymphocytes"Clin Exp Immunol 128:. 128. 21-26 (2002)
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[Publications] Fida S., Ozaki S.: "Autoantibodiesto the Transcriptional Factor SOX13 in Primary Biliary Cirrhosis Compared with Other Diseases"Journal of Autoimmunity. 19. 251-257 (2002)
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[Publications] Tanaka M., Ozaki S., et al.: "Potential preventive effects of follistatin-related protein / TSC-36 on joint destruction and antagonistic modulation of its autoantibodies in rheumatoid arthritis"Int. Immunol.. 15(1). 71-77 (2003)
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[Publications] 尾崎承一: "治療学:薬物療法(免疫療法)。「内科学(第8版)」"朝倉書店(東京)杉本恒明, 小俣政男, 水野美邦編集. 2297 (2003)