2003 Fiscal Year Annual Research Report
自己貪食異常を示す筋疾患の病態解明と治療法開発に関する研究
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13470138
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Research Institution | NATIONAL INSTITUTE OF NEUROSCIENE, NATIONAL CENTER OF NEUROLOGY AND PSYCHIATRY (NCNP) |
Principal Investigator |
西野 一三 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 部長 (00332388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 信行 獨協医科大学, 越谷病院小児科, 講師
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Keywords | ライソゾーム / ミオパチー / 自己貪食空胞 / Danon病 / 縁取り空胞 / 遠位型ミオパチー |
Research Abstract |
自己貪食空胞性ミオパチーの新たな病型を見出した。成人発症で多数の臓器が障害される病型と、先天性ミオパチーに類似した臨床症状を呈しX連鎖性と考えられる病型である。ともに、筋線維内に多数の自己貪食空胞を認めた。Danon病と同様に、その空胞膜は筋鞘膜の性質を有していた。加えて、基底膜が多層化し膜間にexocytosis物質が認められた。後者の先天型に関しては、連鎖解析にて、Xq28に遺伝子座がある可能性が高いことが示された。また、lysosomeと融合後速やかに分解されるべきautophagosome形成必須分子LC3が、lysosomeとの融合後も分解されていないことが示され、自己貪食物質分解のプロセスに何からの異常があることが明らかとなった。 自己貪食異常を伴い遠位筋が主に侵される縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)の原因遺伝子が、遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)の原因遺伝子と同様に、UDP-GlcNAc 2-epimerase/ManNAc kinase(GNE/MNK)をコードする遺伝子(GNE)であることを明らかにした。また、患者で認められた変異を有する組換え蛋白質を作製しGNEおよびMNKの活性を測定したところ、GNEドメインの変異ではGNE活性が、MNKドメインの変異ではMNK活性が低下することが明らかとなった。血清を除去した患者培養細胞では、シアリル化が低下していたが、GNE/MNK経路の代謝産物であるManNAcやNeuAc添加によりシアリル化が回復することを初めて示した。このことは、同様の手法により治療法を開発出来る可能性を示している。骨格筋組織においても、一部の筋線維に糖修飾異常が認められた。一方、患者血清中のシアル酸濃度は正常であったことから、肝臓などでは極僅かの酵素活性が残存しており、それにより血中のシアル酸濃度が維持出来ているものと考えられた。恐らく、血中シアル酸が正常であるために、発症が遅く、また、一部の筋線維群にしか病理所見が出現しないものと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Noguchi S, et al.: "cDNA microarray analysis of individual Duchenne muscular dystrophy patients."Hum Mol Genet. 12. 595-600 (2003)
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[Publications] Kaneda D, et al.: "A novel form of autophagic vacuolar myopathy with lata-onset and multiorgan involvement."Neurology. 61. 128-131 (2003)
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[Publications] Hinderlich S, et al.: "Distal myopathy with rimmed vacuoles is allelic to hereditary inclusion body myopathy."Neurology. 61. 145 (2003)
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[Publications] Nishino I: "Lysosomal membrane disorders -LAMP-2 deficiency."The Molecular and Genetic Basis of Neurologic and Psychiatric Disease. 3. 309-314 (2003)
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[Publications] Sugie K, et al.: "Characterization of Danon disease in a male patient and his affected mother."Neuromuscul Disord. 13. 708-711 (2003)
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[Publications] Noguchi S, et al.: "Reduction of UDP-GlcNAc 2-epimerase/ManNAc kinase activity and sialylation in distal myopathy with rimmed vacuoles."J Biol Chem. 279. 11402-11407 (2004)