2002 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経病変を来すリソソーム病治療への多面的アプローチ
Project/Area Number |
13470164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
乾 幸治 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90175208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 慎也 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
和田 和子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30294094)
酒井 規夫 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30314313)
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Keywords | リソソーム病 / サイコシン / T cell death associated gene 8 |
Research Abstract |
リソソーム病はリソソーム内の加水分解酵素の欠失により、未分解の基質がリソソーム内に蓄積することにより細胞障害をおこし、各臓器の障害につながると考えられているが、特に中枢病変における分子メカニズムについては詳細不明である。今年度はリソソーム病のうち、脱髄疾患であるクラッベ病に関して、次の2つの方法による治療法に関する研究をおこなった。 1)ガラクトセレブロシダーゼの大量発現系の開発;クラッベ病の欠損酵素のモデルマウスへの投与と、構造解析をめざして、大量発現系の確立をめざした。大腸菌での発現系では、効率も悪く酵素活性が測定できないことが判明した。酵母での発現系をいくつかのベクターをもちいて現在試みている。 2)活性化因子サポシンの生物活性の解析;サポシンはいくつかのリソソーム酵素の基質と結合し、酵素と基質が反応しやすくすることによって酵素を活性化するといわれている。またこのタンパク質はいくつかのアイソフオームがあるが、ガラクトセレブロシダーゼの活性化因子はまだはっきり同定されていない。しかしサポシンAは選択的ノックアウトマウスの作出により、クラッベ病の表現型を示すことが示されているため、本酵素の活性化因子の可能性がある。そこでこのたんぱく質の酵母発現系を確立した。今後はガラクトセレブロシダーゼ活性にどのような影響があるか調べ、活性化因子と言えるのか判定する。またこのサポシンAがガラクトセレブロシダーゼのもう一つの基質であり、細胞毒性を持つサイコシンと結合して、分子シャペロンとしての機能を持たないかin vitroの系で確認する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Muramatsu T, Sakai N, Yanagihara I, Inui, K: "Mutatinal analysis of the acid ceramidase genen in the Japanese patients with Farber lipogranulomatosis"J Inherit Meta Dis. (In press).
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[Publications] Akagi M, Inui K, Tsukamoto H, Sakai N, et al.: "A point mutation of mitochondrial ATPase 6 gene in Leigh syndrome"Neuromuscul Disord. 12(1). 53-55 (2002)