2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470199
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
池田 和彦 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 参事研究員 (30124663)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
額田 敏秀 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (80189349)
池田 研二 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 参事研究員 (90232181)
|
Keywords | 統合失調症 / DNAチップ / 気分障害 / TaqMan法 / ニューロペプチドY / 剖検脳 / 脂肪酸異常 |
Research Abstract |
先に、米国スタンレー財団精神疾患脳バンクより分与された疾患(統合失調症・双極性障害・大うつ病)・対照脳の前頭葉および側頭葉組織の遺伝子発現をDNAチップおよびTaqMan法でしらべたところ、ニューロペプチドY遺伝子の発現は、統合失調症(精神分裂病)の前頭葉で有意に減少していることを見いだした。本年度は、理研・加藤忠史氏との共同研究で同スタンレー試料前頭葉60検体について60個のDNAチップを用いて個別に比較検討した。その結果、統合失調症前頭葉でニューロペプチドY遺伝子の発現が低下することを確認した。 また、昨年度の研究において、脂肪酸結合蛋白(FABP)遺伝子の発現が低下が見られたこと(未発表)、さらには統合失調症・気分障害では長鎖不飽和脂肪酸のアンバランスが見られることが報告されていることから、スタンレー財団脳(120検体、4群で前頭葉および側頭葉)について脂肪酸24分画の定量をおこなった。この結果、前頭葉では統合失調症と対照とのあいだで、24分画のモル濃度の差はなかったが、双極障害および大うつ病の両群においては、ドコサペンタエイン酸(C22 : 5ω3)が対照にくらべ著しく高い値をしめした(p<0.001)。同脂肪酸はシナプス膜脂質と関連する。精神疾患における脂肪酸代謝の異常を、今後はターゲットにして検索をすすめる。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Kuromitsu J et al.: "Reduced neuropeptide Y mRNA levels in the frontal cortex of people with schizophrenia and bipolar disorder"Gene Expression Patterns. 1. 17-21 (2001)
-
[Publications] Haga S et al.: "Neuronal degeneration and glial cell responces following trimethyltin toxication in the rat brain"Acta Neuropathol. 103. 575-582 (2002)
-
[Publications] Mizuguchi M et al.: "Loss of doublecortin from heterotopic gray matter of a fetus with subcortical laminar heterotopia"Neurology. 59. 143-144 (2002)