2001 Fiscal Year Annual Research Report
新たながん特異抗原の同定と造血器腫瘍に対する細胞免疫療法への応用
Project/Area Number |
13470206
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
安川 正貴 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60127917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薬師神 芳洋 愛媛大学, 医学部, 助手 (30294797)
阿部 康人 愛媛大学, 医学部, 助教授 (30184229)
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Keywords | WT1 / テロメラーゼ / 細胞傷害性T細胞 / HLA-A24 / 白血病 / 肺がん / 免疫療法 / 自殺遺伝子 |
Research Abstract |
WT1およびhTERTのアミノ酸配列よりHLA-A*2402のアンカーモチーフを有する9 merペプチドを合成し、WT1およびhTERTペプチド特異的CTLクローンを樹立した。これらCTLクローンの白血病細胞に対する細胞傷害性を検討したところ、HLA-A24陽性細胞に対してのみ細胞傷害性を示し、この細胞傷害性は抗HLAクラスI抗体で阻止された。WT1高発現細胞株をWT1遺伝子アンチセンスオリゴヌクレオチドによって処理し、WT1蛋白発現を選択的に抑制したところ、WT1ペプチド特異的CTLの細胞傷害性の低下を認めた。これらCTLの正常骨髄細胞増殖への影響をコロニー形成試験で検討したところ、HLA-A24の有無に関わらず全く影響を示さなかった。また、ヒト肺がん細胞を移植したヌードマウスにWT-1特異的CTLクローンを移入したところ、がん細胞増殖の抑制が認められた。WT1およびhTERT特異的CTLをHerpesvirus saimiriによって不死化させ長期間培養を継続したが、ペプチド特異性および白血病細胞に対する細胞傷害性は保持されていた。さらに、HSV-1 tk遺伝子を組み込んだレトロウイルスベクターによって遺伝子導入したところ、ガンシクロビル添加によって死滅することが確認された。 今回対象にしたWT1とhTERTは白血病の病型に関わらず広く発現しており、成人の正常細胞にはほとんど発現が認められないことから、白血病に対する細胞免疫療法の理想的標的抗原と考えられる。CTLの養子免疫療法を実施する際に最も問題となることは、治療効果が期待できる十分な細胞数が必ずしもコンスタントに供給できない点である。今回示したCTLの不死化はこの問題点を克服する上で有用な手段と考えられる。さらに自殺遺伝子を導入することにより、その安全性はさらに増すものと考えられ、今後、動物実験を重ねて臨床応用に結びつけるよう計画している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Azuma, T., et al.: "Identification of a novel WT1-derived peptide which induces HLA-A24-restricted anti-leukaemia cytotoxic T lymphocytes"British Journal of Haematology. 116. 601-603 (2002)
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[Publications] Yasukawa, M.: "Immunotherapy for leukemia targeting the Wilms' tumor gene"Leukemia and Lymphoma. 42. 267-273 (2001)
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[Publications] Yasukawa, M., et al.: "HLA class II-restricted antigen presentation of endogenous bcr-abl fusion protein by CML-derived dendritic cells to CD4^+ T lymphocytes"Blood. 98. 1498-1505 (2001)
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[Publications] Yasukawa, M., et al.: "Low frequency BCL-2/J_H translocation in peripheral blood lymphocytes of Japanese individuals"Blood. 98. 486-488 (2001)
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[Publications] Arai, J., et al.: "Identification of human telomerase reverse transcriptase-derived peptides which induce HLA-A24-restiricted antileukemia CTLs"Blood. 97. 2903-2907 (2001)
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[Publications] Hasegawa, A., et al.: "Transcriptional down-regulation of CXCR4 induced by impaired association of YY1 with c-Myc in HHV-6-infected cells"Journal of Immunology. 166. 1125-1131 (2001)