2002 Fiscal Year Annual Research Report
「カルパイン10異常型糖尿病」におけるインスリン分泌不全の解析
Project/Area Number |
13470223
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀川 幸男 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (10323370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 純 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (40270855)
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Keywords | 2型糖尿病感受性遺伝子 / カルパイン10 / マイクロアレイ / SNPs / 関連解析 |
Research Abstract |
日本人の2型糖尿病はインスリン分泌不全を一義的な成因とするので、本研究では膵β細胞におけるカルパイン10の機能に焦点を当て、カルパイン10異常がインスリン分泌不全を惹起する機構の解明を目指しているが、カルパインの発現変化がインスリン分泌に関係することを示唆する臨床成績を得た。そこでこの分子機構を明らかにすべく、カルパイン10発現システムをTet On/Offシステムを用いてマウスインスリン産生細胞株で立ち上げ、また効率的な遺伝子導入が可能なアデノウィルス発現系で、膵臓と骨格筋に特異発現を可能とする2種類のウィルス株も獲得した。カルパイン10は多くの組織で発現するプロセシング蛋白であることより、標的基質や周辺因子が共役グループとして発症に働くと考えられる。そこで上記の方法によりカルパイン10を過剰発現させ既存のマイクロアレイ並びに、独自の膵島特異的cDNAマイクロアレイを用いて、mRNA発現が変化する関連遺伝子群を網羅すべく現在検索を進めており、再現性のある十数個の発現の変化する遺伝子を同定している。またカルパイン10関連分子は共同研究によりナノテクを用いたBIA-MS/MSで網羅的に獲得し現在個々の候補分子に関して詳細に検討中である。そして包括的に網羅された膵β細胞のカルパイン10関連分子を選別後、症例-対照関連解析に供する。既に代表者は遺伝学的背景の全く違う2つの民族、日本人、英国人の症例-対照関連解析で、このカルパイン10がインスリン分泌の早期相、並びにインスリン作用に影響を与えていることを明らかにして論文に発表している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Lynn, S. et al.: "Variation in the calpain-10 gene affects blood glucose levels in the British population"Diabetes. 51. 247-250 (2002)
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[Publications] Fullerton, S.M. et al.: "Geographic and haplotype structure of candidate type 2 diabetes susceptibility variants at the calpain-10 locus"Am. J. Hum. Genet.. 70. 1096-1106 (2002)
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[Publications] Ehrmann, D.A. et al.: "Relationship of calpain-10 genotype to phenotypic features of polycystic ovary syndrome"J Clin Endocrinol Metab. 87. 1669-1673 (2002)
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[Publications] Shore, A.C.et al.: "Association of the calpain-10 gene with microvascular function"Diabetologia. 45. 899-904 (2002)
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[Publications] Tonooka N. et al.: "High frequency of mutations in the HNF-1α gene in non-obese patients with diabetes of youth in Japanese and identification of a case of digenic inheritance"Diabetologia. 45. 1709-1712 (2002)