2001 Fiscal Year Annual Research Report
複数遺伝子組み込み法を用いたヒト癌細胞特異的ウイルスベクターの開発
Project/Area Number |
13470230
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30215454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 光宏 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10241316)
守内 哲也 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20174394)
加藤 紘之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80002369)
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Keywords | 癌 / SCCA2 / hTERT / RCAS1 / アデノウイルスベクター / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
癌に対する新しい遺伝子治療ベクターの開発を目的として以下の研究を行った. 癌は正常細胞と同様の性質を持つことによって宿主及び治療手段から回避する仕組みを有している.このため,単独の治療遺伝子発現ベクターでは癌に対して有効な遺伝子治療を行うことができない.我々は従来の遺伝子発現ベクターに複数の遺伝子を組み込み,癌に対して特異的で抗腫瘍効果の大きい治療遺伝子開発を行った.まず,導入するプロモーターとしてSCCA2,h-TERT,RCAS1,CEAプロモーターをヒト胎児細胞株293細胞のゲノム遺伝子よりクローニングした.ウイルスベクターとして非増殖型アデノウイルスベクター,レポーター遺伝子としてGFP,RFPを用いて,2重発現ベクターを構築した.まず行ったのは,ウイルス由来のCMVプロモーターの下流にGFPを,SCCA2プロモーターの下流にRFPを導入したアデノウイルスベクターを構築し,これが全ての細胞に感染しGFP遺伝子を発現する反面,RFP遺伝子は扁平上皮癌でのみ発現されることを確認した.次に,RFP遺伝子をアポトーシス誘導ペプチド発現遺伝子に置換したベクターを構築し,このベクターが扁平上皮癌のみを障害し,正常細胞には影響を及ぼさないことを確認した.さらに特異性,効果の増強を目的として,hTERTプロモーター,RCAS1プロモーターを導入したベクターおよび治療遺伝子としてBax遺伝子を導入したアデノウイルスベクターを構築した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Oshikiri T.: "RCAS1 as a tumour progression marker: an independent negative prognostic factor in gallbladder cancer"Br J Cancer. 85(12). 1922-1927 (2001)
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[Publications] Nakakubo Y.: "The prognostic significance of RCAS1 expression in squamous cell carcinoma of the oesophagus"Cancer Lett. 177(1). 101-105 (2002)
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[Publications] Kato K.: "Over-expression of caveolin-1 in esophageal squamous cellcarcinoma correlates with lymph node metastasis, and pathologic stage"Cancer. 94(4). 929-933 (2002)
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[Publications] Suzuoki M.: "RCAS1 expression as a prognostic factor after curative surgery for extrahepatic bile duct carcinoma"Ann Surg Oncol. (in press). (2002)
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[Publications] Hiraoka K.: "High expression of tumor associated antigen RCAS1 in pancreatic ductal adenocarcinoma is a novel unfavrable prognostic marker"Int J Cancer. (in press). (2002)