サルES細胞からの肝細胞分化誘導および増殖に関する基礎的研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13470233
• Research Institution: Shiga University of Medical Science
• Principal Investigator: 谷 徹 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20179823)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 江口 豊 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00263054) ; 来見 良誠 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70205219) ; 鳥居 隆三 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50106647)
• Keywords: 再生医学 / ES細胞 / マウスES細胞 / サルES細胞 / 人工肝 / 細胞移植 / MRI

Research Abstract

本研究の目的は次の通りである。1.サルES細胞を培養し、肝実質細胞への分化誘導を確認する.2.分化の確認された細胞を分離培養する.3.肝細胞としての機能評価と人工肝への応用(in vitro, in vivo)の基礎を確立する.
今年度はマウスES細胞の肝細胞への分化誘導を確認したのち、サルのES細胞の肝細胞への分化誘導に着手した.さらに分化誘導した細胞について人工肝への応用のみならず細胞移植も視野に入れたプロジェクトに着手した.
現在の研究進行状況:
1.マウスES細胞に各種成長因子を投与し、in vitroで肝細胞への分化誘導を行ってアルブミン、アルファーフェトプロテインなどの肝細胞特有な遺伝子の発現を確認した.さらに肝細胞や肝間質細胞との共培養による分化誘導法に着手した.
2.サルES細胞に各種成長因子を投与し、in vitroで肝細胞への分化誘導に着手した.
3.分化誘導した細胞を移植する際、無侵襲下に細胞をトレースする新しい方法(MRIを用いた細胞追跡法)に着手した.
来期には今期で得た知見を基礎にサルES細胞からの肝細胞への分化誘導法をさらに効率的なものとし、人工肝臓へ利用するのみならず肝障害モデル動物への細胞移植療法を確立することを目指す.さらにそのモデルにおいて移植された細胞をMRIにて追跡する方法を確立する.今期の実験にて3年目に向けた具体的な方向が示された.