2001 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患の病態解明を目的とした生体防御関連遺伝子のクローニングと機能解析
Project/Area Number |
13470249
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福島 浩平 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20271900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟山 裕士 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50192315)
内藤 広郎 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90180223)
佐々木 巌 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
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Keywords | 腸内細菌 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / 上皮細胞 |
Research Abstract |
本研究は、腸内細菌導入モデルから生体防御機構に重要な遺伝子を拾い上げ、ヒトホモローグの炎症性腸疾患における発現とその機能について解析するものである。 今年度、我々は以下の点を特に重視した。1、リコンビナント蛋白作製技術の確立、2、ペプチド抗体の樹立、3、それに基づく1遺伝子の解析 腸内細菌が存在することによりはじめて誘導され、しかも小腸ではなく大腸のみで発現するクローンをMA13と命名しこれをクローニングした。残念ながら、我々の報告に先立ってその塩基配列はresistin-like molecule β(RELMβ)として報告されたが、機能的には全く不明である。我々はその発現パターンから大腸の生体防御機構に極めて重要な分子と仮定しマウスおよびヒトRELMβに対するペプチド抗体を作製した。さらにリコンビナント蛋白を、大腸菌、無細胞系、mammalian cellを用い作製を試みた。現時点で、無細胞系においてマウスリコンビナントRELMβを作製に成功している。ヒトRELMβの炎症性腸疾患の大腸上皮細胞における発現をみると、mRNAレベルでは対照群とクローン病(CD)に差がないのに対し、潰瘍性大腸炎(UC)では有意の低下が認められ、蛋白レベルでも免疫組織化学において裏付けられた。さらに、in vitroの系においてlipopolysaccharideやIL-6により誘導される。従って、これらのproinflammatry mediatorが豊富に存在すると考えられるUCにおいて発現低下していることは、病態の形成に重要な意味を持つ可能性がある。現在、小腸ではなく大腸上皮に強く発現し腸内細菌導入により誘導される遺伝子についてもDD718と命名しクローニング中である。この遺伝子のヒトホモローグはCDにおいて発現が低下している。
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Research Products
(1 results)