2004 Fiscal Year Annual Research Report
放射線誘発大腸癌における遺伝子変異および素因に関する研究
Project/Area Number |
13470263
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
新井 正美 財団法人 癌研究会, 癌研究所, 研究員 (20232027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 義男 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10281594)
加藤 洋 癌研究会, 癌研究所・病理部, 教授 (20010473)
柳澤 昭夫 京都府立医科大学, 大学院・医学系研究科, 部長 (30137963)
宇都宮 譲二 癌研究会, 癌研究所, 研究員 (70013901)
武藤 徹一郎 癌研究会, 癌研究所, 部長 (20110695)
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Keywords | 射線誘発大腸癌 / マイクロサテライト不安定性 / 放射線感受性 |
Research Abstract |
平成16年度は、本研究プロジェクトの最終年度に当たるため、研究の総括を行った。 1.放射線誘発大腸癌の遺伝子変異の解析。放射線誘発大腸癌は組織学的に粘液癌の頻度が比較的高いこと、通常の粘液癌・低分化癌に比べて予後が良好なことから、HNPCCと同じ機序で発がんしている可能性について検討したが、MSI-Hは認められたのは30例中1例のみであった。K-ras,p53の変異頻度も一般大腸癌と有意な相違を認めなかった。 2.NHPCCモデルマウスを用いたミスマッチ修復異常と放射線感受性に関する検討。M1H1ノックアウトマウスに対して生後2週目及び10週目に2Gyの1回照射を行ったところ、M1H1+/-マウスでは+/+マウスと同様に腫瘍の発生について著変は認められなかったが、-/-マウスでは10週目の照射により消化管腫瘍が有意に増加した。 3.ミスマッチ修復異常と放射線感受性の相関に関する検討。既にミスマッチ修復異常を有する大腸癌細胞株(マイクロサテライト不安定性陽性大腸癌)は、これが正常な大腸癌細胞株に比べてコロニー形成試験の結果、放射線照射により生存率が低い傾向が認められた。その原因として、Rad50やMre11遺伝子内の繰り返し配列の変化が認められた。現在、この因果関係についてtransfectio等等により確認中である。 4.放射線治療における有害事象の予測に関する検討。主に子宮頚癌の放射線治療後に明らかな有害事象が生じた症例群と大きな有害事象が生じなかった対照群の2群における放射線感受性に関係する遺伝子群の遺伝子多型(SNP)を比較する。有害事象群20例、対照群30例のDNAおよ不死化リンパ球を対象として、SNPの解析を施行中である. (2.および3.の研究は放射線総合医学研究所低線量生体影響プロジェクト島田義也先生の施設との共同研究である。)
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Research Products
(22 results)