2001 Fiscal Year Annual Research Report
消化管における創傷治癒機転および治癒不全病態の分子生物学的解析-特に線維芽細胞増殖因子受容体(3-IIIbタイプ)との関連について-
Project/Area Number |
13470264
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
金井 陸行 財団法人田附興風会, 医学研究所・第2研究所, 研究員 (00322652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 浩一 財団法人田附興風会, 医学研究所・第2研究所, 研究員 (60342698)
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Keywords | 線維芽細胞増殖因子受容体 / 線維芽細胞増殖因子 / 消化管の創傷治癒 / 腸管上皮細胞 |
Research Abstract |
(1)ラット小腸のCrypl細胞から樹立された細胞株IEC-6を用いたin vitroの実験で、消化管粘膜の修復機転の第一相であるrestitutionの早期にはERK1/2のMAPキナーゼが活性化させることが報告されている。今回我々ERK1/2以外のMAPキナーゼであるJNK. p38も活性化されることを見いだした。しかしrestitutionはERKの上流に位置するMAPキナーゼキナーゼ・MEKの阻害剤PD98089にて完全に抑制されることから、ERK1/2依存性であり、JNK、p38のrestitutionにおける意義をそれぞれの活性阻害剤を用いて検討している。またIEC-6の低酸素条件下での培養条件を確立、低酸素条件下ではrestitutionが障害されることが確認されたが、その際のERK1/2、JNK、P38の活性化については現在検討中である。またrestitutionはFGF、EGFなど種々の増殖因子により促進されることが報告されている。我々は消化管内に存在する種々の増殖因子に、低酸素下におけるrestitutionの障害に対する緩和作用を有するものがあるのかを検討中である。 (2)線維芽細胞増殖因子受容体3型IIIbタイプ(FGFR3IIIb)のヒト大腸における発現を臨床切除標本を用いて検討した結果、FGFR3IIIb正常大腸粘膜および大腸癌組織におけるmRNAに発現が確認され、腫瘍組織内において発現が増強している傾向が認められた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] HIROKI HASHIDA: "Aminopeptidase N is Involved in Cell Motility and Angiogenesis Its Clinical Significance in Human Colon Cancer"Gastroenterology. 122. 376-386 (2002)
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[Publications] 金井 陸行: "トレフォイルファクターファミリー(TFF):構造および消化管における生理学的機能"別冊・医学のあゆみ 免疫疾患state of arts ver.2. 175-179 (2002)