2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470283
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 延人 群馬大学, 医学部, 教授 (60262002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 章夫 群馬大学, 医学部, 講師 (60261856)
登坂 雅彦 群馬大学, 医学部, 助手 (40323357)
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Keywords | 脳虚血 / 神経細胞死 / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
MEKはMAP kinaseの経路にあり細胞内シグナル伝達を担う。成長因子レセプターのシグナルを伝達し、神経細胞保護的に働くと考えられていた。しかし最近、U0126やPD98059などのMEK活性を抑制する薬剤により、in vivoおよびin vitroの神経細胞死が抑制できることが報告されている。脳虚血後にMEKが活性化されていることが明らかとなっているが、MEKの活性化により神経細胞死が引き起こされるのかどうかが、いまだ明確になっているとは言えない。昨年度までの研究で、ラット胎仔初代培養神経細胞にアデノウィルスベクターで活性型MEKを遺伝子導入すると神経細胞死が起こることを明らかとし、また、この神経細胞死がMEKインヒビターであるU0126で抑制されることを明らかにした。そこで本年度はMEKの抑制によりin vivoで実際に虚血性神経細胞死が防止できるのかどうかを検討した。 ラット成獣にMEKインヒビターであるU0126(100mg/kg)を腹腔内投与し、直後に中大脳動脈を閉塞して脳梗塞を作成した。虚血後24時間で灌流固定後に脳を取り出し、切片を作成してH-E染色で梗塞層の広がりを判定した。偽薬投与群では大脳半球の梗塞層は91.86mm^3であったのに対し、U0126投与群では126.391.86mm^3とUO126投与群の方が梗塞層が大きかった。大脳皮質領域での梗塞層の比較でも、偽薬投与群では62.35mm^3であったのに対し、U0126投与群では90.07mm^3とU0126投与群の方の梗塞層が大きかった。これらの結果はin vitroの結果と矛盾するものであり、MEK活性の抑制によりin vivoでは梗塞層が大きくなることを示唆している。今後MEK活性の測定を始め、in vitroとin vivoの結果の結果の解離について、さらに検討を要すると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Asai A, Tanahashi N, Qiu JH, Saito N, et al.: "Selective Proteasomal Dysfunction in the Hippocampal CA1 Region After Transient Forebrain Ischemia"J Cereb Blood Flow Metab. 22・6. 705-710 (2002)
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[Publications] Sugawara Ki K, Kurihara H, Negishi M, Saito N, et al.: "Nestin as a marker for proliferative endothelium in gliomas"Lab Invest. 82・3. 345-351 (2002)