2002 Fiscal Year Annual Research Report
胎児脳の発達に対する先天性水頭症の影響とその胎内治療の可能性に関する検討
Project/Area Number |
13470289
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
林 央周 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (50283073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗本 昌紀 富山医科薬科大学, 付属病院, 講師 (10161770)
遠藤 俊郎 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70125269)
平島 豊 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (30135016)
加藤 一郎 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (50250741)
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Keywords | 先天性水頭症 / トランスジェニックマウス / 疾患モデル動物 / マイクロインジェクション / Creリコスビナーゼ / lox P / TGF-beta 1 / EGFP遺伝子 |
Research Abstract |
乳幼児水頭症の多くは先天性で、その成因や病態に関しては未解明の点が多い。サイトカインの1種であるTransforming Growth Factor-beta 1(TGF-beta 1)を脳内で発現するトランスジェニックマウスでは、先天性水頭症を発症し産児のほとんどは生後1週間以内に死亡するため継代が困難であり、安定的な供給は困難であった。本研究の目的はCre-lox Pのシステムを用いて、再現性の高いマウス水頭症の疾患モデル動物を確立し、胎児脳の発達に対する先天性水頭症の影響とその胎内治療の可能性を探ることにある。平成14年度の研究は以下の通りに順調に進行し、期待されたような研究成果を得た。 ・ヒトGFAP遺伝子の発現調節領域にlox P配列を両端に挿入したEGFP遺伝子カセットおよびその下流にTGF-beta 1遺伝子カセットの2つの遺伝子を直列につないだ遺伝子を持つトランスジェニックマウスAを受精卵前核へのマイクロインジェクション法により作製した。うち2匹が原因不明の理由(水頭症の疑い)により生後4週までに死亡した。現在最低1匹が導入遺伝子を有したまま生存している。 ・受精卵を含む全ての細胞で働くPGKプロモーターにCre遺伝子カセットを接続した遺伝子を持つトランスジェニックマウスBを同様の方法で作製した。 ・現在、トランスジェニックマウスAとBを交配し両方の遺伝子を持つダブルトランスジェニックマウスA&Bを作製している途上である。Aマウス脳ではEGFP(+)TGF-beta 1(-)の発現パターンを示すが、A&Bトランスジェニックマウス脳ではEGFP(-)TGF-beta 1(+)の発現パターンに変化し、水頭症を発症することになる。今後このマウスを用いて、胎生初期からの脳の水頭症病変を病理学的に調べる。また各種TGFインヒビターを投与し先天性水頭症の発症予防の研究を行う。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hayashi N: "Endoscopic ventriculocystostomy through the septum pellucidum via the contralateral anterior horn -Technical note-"Neurologia medico-chirurgica. 42. 99-102 (2002)
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[Publications] Hayashi N: "Endoscope-assisted far-lateral transcoudylar approach to the skull base"Minim Invasive Neurosurg. 45. 132-135 (2002)
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[Publications] Hayashi N: "One-plece pedunculated frontotemporal orbitozygomatic cranlotomy by creation of a subperiosteal tunnel beneath the temporal muscle"Neurosurgery. 51. 1520-1524 (2002)
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[Publications] Petrova R: "Advanced glycation endproduct-induced calcium handling impairment in mouse cardiac myocytes"J Mol Cell Cardiol. 34. 1425-1431 (2002)
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[Publications] Kaku H: "NF-kappa B is required for CD38-mediated induction of C(gamma) 1 germline transcription in murine B lympocytes"Int Immunol. 14. 1055-1064 (2002)
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[Publications] Chini EN: "CD38 is the major enzyme responsible for synthesis of nicotinic acid-adenine dinucleotide phosphate in mammalian tissues"Biochem J. 15. 125-130 (2002)