2001 Fiscal Year Annual Research Report
脳損傷に誘発される成熟神経回路網の再構築における可塑転機の研究
Project/Area Number |
13470297
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (80191899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 敬 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80332948)
木村 實 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40118451)
峯浦 一喜 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70134103)
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Keywords | 脳損傷 / 神経回路 / PET / LTP / PKC / DAG / 代償的回路形成 / 可塑性 |
Research Abstract |
従来の脳損傷後の回復機構の研究は病巣部位および周辺部位に重点が置かれていたが、PETをもちいた研究では代償的回路形成に関係する増強現象は多数の連合野を始めとする領域に存在することが明らかになった。そこで損傷により活性化されたネットワークから共通のmulti-centricシグナルを調べ安定したシステム回路をPETにより検索し、実験的手法から可塑的領域や可塑転機のメカニズムを調べた。 本年度の結果 (1)ラットを用いた実験的脳損傷モデル及びLTP inductionで増強現象を再現し、共焦点レーザー顕微鏡及び放射活性DAGで取り込み機構を薬理学的に調べた結果、増強現象はprotein kinase Cの活性に強く関係することが明らかになった。そこで海馬スライスを用い64channel rccording法によりLTP現象が生じた部位とprotein kinase C(PKC gamma)の活性領域を免疫組織染色により検討した結果、PKC gammaの活性化がentorhinal cortexに強く見られた。すなわちdentate gyrus(DG)にLTPを加えた後に5分後では見られなかったが30分後にentorhinal cortexにPKCの活性上昇が見られた。これらの結果から電気生理学的な方法論と分子生物学的な接点が見つかった。今後はこの方法を駆使し、増強現象と代償的回路形成の誘導をBDNFやNGF, NT3を用い電気現象との関連を見いだす。 (2)多くの脳損傷のPET症例から安定したシステム回路をPET画像解析により検索した結果、右脳の前頭前野に安定した回路の存在が示唆された。今後は上述の動物実験の結果をあわせて統合した研究に進める予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 今堀 良夫: "癌における遺伝子発現の画像化-ポジトロン標識アンチセンスによるテロメラーゼmRNAの生体画像化法-"癌の臨床. 47・(1). 72-75 (2001)
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[Publications] 今堀 良夫, 他6名: "基底核機能障害におけるポジトロン標識フルオロドーバーの臨床"Progress in Medicine. 21・(8). 2021-2027 (2001)
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[Publications] 笹島 浩泰.今堀 良夫, 他2名: "Bobble-head doll syndromeを呈した鞍上くも膜嚢胞の1治験-18F-fluorodopa-PETによる基底接按能の評価-"Progress in Medicine. 22・(1). 248-253 (2002)
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[Publications] Imahori, Y. et al.: "Positron Emission Tomography : measurement of the activity of second messengers systems"Methods. (in press). (2002)
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[Publications] Imahori, Y. et al.: "Activation studies in putaminopallidal system in Parkinson's disease"Parkinsonism & Related Disorders(Helsinki, Finland). 7. s45 (2001)
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[Publications] Kondo, M., Imahori, Y.et al.: "Altered interaction in Putaminothalamocovtical aircuit in corticobasal degeneration:"c-DAG-PET Study"Parkinsonism & Related Disorders (Helsinki, Finland). 7. s46 (2001)