2002 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経節由来の幹細胞移植によるパーキンソン病の治療
Project/Area Number |
13470298
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
板倉 徹 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40100995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 直之 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30301435)
大岩 美嗣 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30322374)
上松 右二 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90223502)
小倉 光博 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授
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Keywords | パーキンソン病 / 幹細胞 / 細胞移植 / 交感神経節 |
Research Abstract |
細胞移植療法はパーキンソン病に対する外科的治療の中で最も理にかなったもので、最大の治療効果が期待できるものである.ドナーとして自己複製能と多分化能を有する幹細胞が注目されている。本研究プロジェクトでは、我々がすでに臨床応用した交感神経節内に存在する幹細胞および胎仔脳由来神経幹細胞をパーキンソン病モデルに移植し、その効果を検討した.胎仔脳および交感神経節から幹細胞をドナーとして用いた.胎仔脳幹細胞はnestin-GFP transgenic mouseを作成しFACSにてnestin陽性細胞を高率に採取後、ラット6-OHDAモデル線条体に移植した.この胎仔幹細胞はnestin免疫陽性だが、tyrosine hydroxylase (TH)免疫反応は陰性で、移植前は幹細胞のままでTH細胞には分化していない.幹細胞移植後に宿主脳にBrdUを投与し移植細胞が宿主脳内で分裂増殖したかどうかを確認した.移植された神経幹細胞は形態学的には、神経細胞様に突起を伸ばし宿主脳内で分裂し、tyrosine hydroxylase (TH)陽性細胞に分化した後、host内で神経細胞として生着していた.Amphetamine投与後の回転行動は移植後4週で回転数が減少した.交感神経節内幹細胞も移植後脳内に生着し、神経細胞に分化するとともに神経突起を伸張した. 臨床的には胸部交感神経節の脳内移植をパーキンソン病患者に施行し、長期間の効果を観察した.その結果移植後2-3年にわたって、1日のoffが占める時間(%off)の減少が見られ、交感神経節移植の効果が確認された.この効果は投与されたL-dopaを移植片が取り込み、ドーパミンに変換して宿主脳内に放出している結果と考えられた.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 板倉 徹, 垣下 浩二, 中尾 道之, 上松 右二: "神経細胞の脳内移植の現状と将来展望"脳神経外科ジャーナル. 11. 643-649 (2002)
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[Publications] 板倉 徹: "定位・機能神経外科の進歩"脳外. 30. 351-356 (2002)
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[Publications] 板倉 通, 中 大輔, 前島 伸一郎: "高次脳機能領野と能神経外科手術"失語症研究. 22. 175-182 (2002)
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[Publications] N Nakao, K Kakishita, Y Uematsu, T Yoshimasu, T Bessho, K Nakai, Y Naito, T Itakura: "Enhancement of the response to levodopa therapy after intrastriatal transplantation of autologous sympathetic neurons in patients with Parkinson disease"J Neurosurg. 95. 275-284 (2001)
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[Publications] K Sawamoto, N Nakano, K Kakishita, Y Ogawa, A Yamamoto, M Yamaguchi, K Mori, SA Goldman, T Itakura, H Okano: "Generation of dopaminergic neurons it the adult brain from mesencephalic precursor cells labeled with a nestin-GFP transgene"J Neurosci. 21. 1085-1095 (2001)
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[Publications] K Sawamoto, N Nakano, K Kobayashi, N Matsushita, H Takanashi, K Kakishita, A Yamamoto, T Yoshizaki, T Terashima, F Murakami, T Itakura, H Okano: "Visualization and direct isolation, and transplantation of midbrain dopaminergic neurons expressing GFP transgene"Proc Natl Acad Sci USA. 98. 6423-6428 (2001)
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[Publications] 板倉 徹: "コメディカルのための脳神経外科"ブレーン出版. 180 (2003)